たまには外メシ
たまには外メシ
●天満・寿司処「かい原」
東洋陶磁美術館で「ルーシー・リー展」を鑑賞したあと、地下鉄扇町駅で下車して天神橋筋商店街を横切り、カオス的町並みの中に、この小さな店を見つける。隣に「天満ぷらら」という市場があるので、これを目当てにすれば分かりやすい・・いや、はて・・どうかな。
天満と言えば寿司屋の激戦地。一個100円、200円で争ってるなか、当店は「おまかせ・3500円」メニューひとつのみ、という新スタイルで開業。店を知ったのは、月刊「大阪人」2011年1月号の記事をみたからです。
世間一般の感覚でいえば、かなりリスキーなやり方だと思います。しかし、これがアタリでした。単価の競争ではなく、CP(コスト・パフォーマンス)の高さで打って出た。3500円でこれだけ美味しい寿司を食べて頂けますと。それが認められて、リピーターとクチコミ客が続々、予約なしでは入れない店になりました。近隣の同業他店には相当のインパクトがあったでしょう。
わずか8席の質素な店に、普通の寿司屋さんにはあるはずの、ネタケース、メニュー(札)、醤油壺、の三つが無いのは「おまかせ」だから。なあるほど、しょうゆうことか、と納得して待つと、トータルで、アテが2品、握りが10貫、巻きずし3個、みそ汁、が供される。少食の自分には、ネタもシャリも小さいのが助かります。これで十分満腹になりました。肝心の味について書くと長くなるので割愛。おいおい。
回転寿司やスーパーの折詰め握りの味に慣れてしまうと、それがスタンダードになってしまい、美味しい寿司のなんたるかを忘れてしまいかねない。ふだんはそれでヨシとして、ちょっぴりハレ気分を味わいたいときに手頃な店といえるでせう。接待にも十分使えます。欲をいえば、店構えはもう少しグレードアップしてほしい。いや、そんなこと書かんでも、オーナーの開原さん、すでに次のステージを考えてるかも・・。
検索は<寿司処 かい原>でわんさと出ます。
■蛇足・・「ルーシー・リー展」は期待以上に素晴らしい作品に出会えて幸せな気分になりました。当館には珍しい20世紀作家の展覧会とあって、ふだんは、じいさん、ばあさんしか来ない美術館なのに、若い人、それも女性が多くてびっくりしました。2月13日まで。
■東洋陶磁美術館HP
http://www.moco.or.jp/