ア・ラ・カルト

●今年最良のアートシーン・・若沖ワンダーランド
                                                      信楽・ミホミュージアム

 一年くらい前、北陸の  どこかで、伊藤若沖の大作が新発見されたというニュースは知っていたが、まさか、このミホミュージアムが入手していたとはつゆ知らず・・・。もう、行くしかないやろ、とようやく腰を上げた次第であります。

新旧を問わず、日本画の作家の人気コンクールをしたら、この若沖がナンバーワンになること間違いないでしょう。狩野派の御大も横山大観も北斎も、みんなおいてけぼりにされそうだ。もう若沖の固定ファンといえる人、100万人を越えてるのではないでせうか。

前記、新発見の大作というのは下の写真(絵はがきをコピー)の「象と鯨図屏風」で左右二隻に分かれ、全幅は7mに及ぶ、本当に大作。大胆な構成、若沖ならではのデフォルメ、そもそもなんで象と鯨なのか、こんなもん、屏風に描いてどないすんねん、というのが、常識的な見方でしょう
 
若沖 象と鯨の屏風絵 

ま、褒めたくない人もいるかも知れないが、実物を目の前にすると、とりあえず「すご~」としか言えない。ほかに、鶏や野菜を描いた、おなじみの作品も数十点あり、満足度は高い。唯一残念だったのは、「寒山拾得図」が展示期限切れで無かったこと。若沖以外では与謝野蕪村の山水画の大作があり、これもすごい迫力。マルチアーティストとしては芭蕉を超えている。

鑑賞者の皆さん、一様に「観て良かった」と心満たされた思いが表情に表れ、ホールにシアワセ気分が漂っているのでありました。もしや人生最後の出会い、を意識せざるを得ない年齢の人・・自分のこっちゃ・・には尚更の感慨であります。

もう一つビックリしたのはコレクション展の展示物のレベルの高さ。いったいどうして手に入れたのか、とつい貧乏人根性で怪しんでしまう古代の逸品が並んでいる。エジプトからシルクロード周辺の彫刻や装飾品の数々、なかでもガンダーラの仏像は本当に魅力的で、メイドイン・ジャパンも負けそーって感じですね。若沖展とコレクション展、会わせての鑑賞料1000円はメチャ安い。両方の鑑賞は3時間くらいかかります。
(今期は12月13日まで)

この「ミホミュージアム」ご存じのように、神慈秀明会という新興宗教が
運営しているのですが、実態がよく分からない。規模からいえばマイナーもいいとこ、中小企業的存在なのに、この信楽の本部のスケールや収集品の資産価値、美術館の立派さはとても教祖様の趣味道楽レベルではない。
なのに、信者は数万人しかいないのでは、という情報もある。もとは「世界救世教」の一派らしいけど、Wikiで調べても、教義とか、なんかようわからんのであります。

12月1日から、JR石山駅発の直行バスがなくなり、益々不便になりそうです。車でも電車、バスでも大阪市内から往復五時間くらいかかります。しかし、若沖ファンなら万難を排して行くネウチありです。

■ミホミュージアムの案内
http://www.miho.or.jp/

回りに人家など一軒もない信楽高原の一角にあるミュージアムの敷地は100万㎡、大阪城公園(108万㎡)の面積に近い。チケット売り場から美術館玄関まで600mくらいあり、歩きたくない人はバッテリーカーで送迎してもらう。途中のトンネルは、ステンレス板金仕上げの装飾トンネル。
ミホミュージアム1 

玄関から見たトンネル。せめて片道は歩きませう。
ミホ2 

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ア・ラ・カルト

●小春日和・・山辺の道

 年中で一番賑わうかもしれない、この時節の山辺の道、そのワケは道ばたに数え切れないくらいある農産物の無人販売があるからでしょう。柿、みかん、野菜が市価の半額以下で売っているので、つい、あれもこれもと買ってしまい、リュックに入りきれず、手にポリ袋を提げてのハイキングになってしまいます。むろん、有人販売のところもあって、おじさんに「これ、今そこの畑でとったばかり」とか言われると、ついまた・・。

しかし、よ~く考えたら、トクした金額(市販価格との差)はせいぜい数百円くらいのはず。そのために重い荷物もってのハイキング・・・いや、この場でそんな経済合理主義を言うのは野暮か。竹筒に100円玉をコロンと入れて買うところが愉しみなんですね。

U会の例会で、今回は柳本あたりから桜井まで、つまり北から南へ歩きましたが、9割以上のハイカーは逆方向に歩いてました。そのほうがスタンダードなのでしょうか。(11月23日)

山辺の道1 

同2 

同3 

同4

同5

  

大阪日暮綴

●御堂筋のイチョウ並木が見ごろ・・

 淀屋橋~本町~心斎橋間のイチョウがきれいに色づいています。
あと2,3日がピークかな、という感じ。ただし、難波よりの区間はまだ緑が多い。一週間以上ずれそうです。(11月27日)

イチョウ     

 

たまには外メシ

●スイスホテル南海「タボラ36」のバイキング

  忘年会の日程がとれないので、休日のランチに変更。難波の高層ホテルのてっぺんにあるレストランへ行きました。いつもワリカン負けしている下戸にとっては敵討ち(減価償却)のチャンスであります。なんで減価償却を? そらデザートに決まってますがな。オバサンたち、別腹住友倉庫、三菱倉庫を開放して、トツゲキ~! 
 ケーキなんて、一ケ食べるから美味しいのであって、皿にてんこ盛りしてどないすんねん。冷ややかに見ている前で、オバサンたちの皿はたちまち空になるのでありました。おおコワ。(休日飲み放題プラン 5200円)
スイスホテル 

スイスホテル 

スイスホテル 

スイスホテル 

大阪日暮綴

●小野竹喬展を愉しむ ~大阪市立美術館~

 若い時分から、川合玉堂が描いた山村の風景図などを見ると、しみじみ、日本に生まれて良かったなあと思っていましたが、画風の違いはあっても、小野竹喬作品も同じような感慨をもたせる魅力があります。
 一方、この人は生涯を通じて随分スタイルを変えたことがよく分かります。初期の伝統的な日本画と最晩年のほとんど抽象に近い画風を見ると、同じ人が描いたとは思えないくらいです。

80歳を過ぎてから着想した、芭蕉の俳句作品を絵画化した「句抄絵」については、是と否、評価が分かれるのではと思います。「奥の細道」の作品を絵にしたものですが、俳句を視覚化すること自体の危うさもあるだろうし、評価は難しい。これを見て、同じ発想で山頭火の俳句を絵にした池田遙邨の作品を思い出しました。どちらが「お気に入り」かと問われたら、池田遙邨のほうに手を上げます。あくまでも好みでの判断ですが。

せちがらい話ばかりの昨今、とんがった神経をゆるゆるにしてくれる作品がずらり。ゲージツ鑑賞なんてことは忘れて、ほのぼの気分に浸れます。12月20日まで。(観覧料 1200円 65歳以上の大阪市民は無料)

 「あかあかと 日はつれなくも あきの風」
小野展覧会 



ア・ラ・カルト

●笠置山の紅葉

 「湯めぐりマップ」①に掲載している「わかさぎ温泉」へ9年ぶりに行ってきました。ただし、歩いたのは笠置寺往復の道だけです。妙に感心したのは、当地の駅前通りの風景が9年前と何も変わっていないこと。こんなに何も変わらない町、名所も珍しいのではないかと思いました。ふつうは10年近くご無沙汰したら「えらい変わってしもたなあ」と感心するものですが。通りの民家が改築した形跡さえない。

風景が変わらなくても、平成の大合併で町の名前が変わったところも多いのに、ここは「京都府相楽郡笠置町」そのまんまです。笠置町は独立独歩する町として偉いのか、それとも回りの市や町に見放されたのか。

 一番驚いたのは、2001年発行、湯めぐりマップの11頁の説明文のなかで「笠置への年間観光客は70万人、そのうち笠置山へ登る人5万人、その中で当寺(笠置寺)へは1万5千人しかこない・・」要するに住職が拝観者の少ないのを愚痴ってる、と書いたのですが、この張り紙もそのまんま、今も貼ってある(紙だから何度も書き直していて、紙自体は真新しい)。住職さん、未だに同じセリフで愚痴を続けているのですねえ。もう、笠置寺でなくて化石寺に改名したらどない?

無論、変わらないことの悪口を言う気はありません。むしろ、褒めたくなるくらいです。山あいの静かな里の望ましい姿かもしれない。
 今日あたりが紅葉のベストチャンス、と思って出かけたのに、残念、ピークは過ぎていました。先日の雨と風でおおかた落葉していました。そのぶん、写真のように地面はレッドカーペット状態で、それなりにキレイではありましたが・・。

山上めぐりの道から眺めた木津川
kasagi 

笠置山 紅葉公園
kasagi 

kasagi 

●下戸の味方、こんな商品もありました
 「わかさぎ温泉」のにレストランで見つけた「アサヒ ポイントワン」という低アルコールビール。こんなのもあったんですね。
 以前に、ノンアルコールビールは全部まずい、ましなのはハイネケンの「バクラ」と書きましたが、このポイントワンはバクラ並みにイケます。姉妹品のアサヒ ポイントゼロよりビール気分で飲めます。なつかしい「スタイニー」のボトルを使ってるのもグッド。ここで飲んだら400円でした。缶入りなら市販価格150円くらいかも。 ただ、これは名前のようにワン、すなわち0,1%アルコールが入っています。バクラ同様、完全にゼロ%では飲み物としてサマにならないということでしょうか。
笠置山  
 


閑人帳

●再度、文字書体変更のススメです

9月7日の閑人帳記事で
●ウレシイ!! ブログ(HP)の文字が見やすくなりました
と書き、書体の変更をおすすめしましたが、おおかたは無視されたと思います(笑) 
今回、駄目男が操作説明文を整理して、再度掲載します。ビスタをお使いの方は一度試してみて下さい。

日経ネットPlusの中の「ネットナビ」から引用
http://netplus.nikkei.co.jp/netnavi/

ここから引用文
フォントを変えホームページ読みやすく
2009年9月7日更新

「メイリオ」は通常のフォントより輪郭線が滑らかで、行間も広くなる 。 ホームページを読むとき、思わず目を細めながら読んでしまうことはありませんか。これは、液晶ディスプレーが大型になるにつれて表示が高精細になり、文字が細くて小さくなるためです。

 ビスタは画面での読みやすさを重視してデザインしたフォント(書体)「メイリオ」を用意しています。通常のフォントに比べて輪郭線が滑らかで、行間を広く表示します。ホームページをメイリオで表示する設定に変えれば、格段に読みやすくなるでしょう。

以下の青色文字の説明文、駄目男が整理して、箇条書きに書き直しました。XPをお使いの方で、③の「Webページフォント」にメイリオが見つかれば、書体変更できるかもしれません。試してみて下さい。

書体は次の要領で変更します。
インターネットの画面を開けておいて・・・
①画面上方の「ツール」を押し、メニュー一番下?の「インターネットオプション」をクリックします。

②次の画面で左上「全般」タブをクリックし、画面下の「フォント」ボタンをクリック。(①の操作で既に「全般」押した状態になってることがある)

③次に「Webページフォント」欄でずらりと並んだ項目から「メイリオ」を選び、「OK」をクリックします。(一覧表の一番下がメイリオ)

④「全般」タブの画面に戻ったら、「ユーザー補助」ボタンをクリックし、

⑤次の画面で「Webページ指定されたフォントスタイルを指定しない」にチェックを付けて「OK」をクリック。これでホームページをメイリオで表示できます(ページによっては、表示が乱れることがあります)。

 この設定を元に戻すには「ユーザー補助」の画面で付けたチェックを外し、「フォント」の画面で「ゴシック」など以前に使っていたフォントを選びます。

(日経PCビギナーズ編集部 鈴木 陽子) 引用ここまで

 ところで、旧書体(即ち標準書体)で書いた自分の古いブログを見ると、改行の乱れができたり、本文とタイトル文字のサイズがアンバランスになっていて読みにくい、見苦しいところがあります。駄目男が「メイリオ」で入力し、読者が「標準書体」で読むと、この小さなトラブルは避けられないかもしれません。そこで、文頭のタイトル文字をやや小さめにするとかで、なるべく目立たないようにしています。

なんにせよ、自分の判断では、標準書体のほうがメイリオより読みやすいということはあり得ないと思いますので、変更をおすすめする次第です。どうしても読みにくいと思ったら、上の最後の説明文に従い、元へ戻して下さい。

閑人帳

●八〇歳にして、なお現役アル中・・石田俊雄さん
 
 昼前、久しぶりに電話があって、近くのファミレスでランチ。
石田さんは、歩き旅のベテラン・・なんて、やわな言い方では済まない、明快にアル中=歩き中毒患者であります。中毒患者であることで抜群の健康を維持出来てるのだから、他人は(たぶん奥さんも)もう勝手にしなはれ、としか言えない。
 八〇歳の石田さんにとって、20~30キロの山坂道を含めたコース歩きは「日常」なのでありまして、10キロなんてのは朝飯まえの散歩。月例会のプランは10キロを標準に、なんて軟弱なこと言ってる、どこやらの会なんか、ハナクソ未満でありませう。

全国の有名歴史街道はほぼ歩き尽くし、自然歩道も出来る尻から踏破する。ここ、面白そうと感じたら、行かねば気が済まない。石田さんにとって「渡る世間は道だらけ」なのだ。ただ、闇雲に突進するタイプではなく、事前に出来る限りの情報を集めて出かけ、しかし現地でなんだかんだごちゃついたら、そらまあ、しゃあないかと。途方にくれたら、役場、警察、どこでも顔出して教えてもらう。昨年は、NHKドラマ「篤姫」を見て、姫が江戸へ嫁入りする道中はどんな道だったのかが気になり、鹿児島から小倉まで大苦労の歩きをしたという。消滅した旧道のすぐ隣に新しい車道がある場合、たとえ藪こぎしても旧道を歩くのである。

 そんな石田さんの悩みは、歩きに追いつく記録整理が出来ていないことだという。紙資料はどんどん貯まり、とりあえずファイルにしたものだけで、並べたら5m以上はあるという。他に段ボール箱もどっさり。
 だったら、歩くのはしばらく我慢して、記録整理、片づけに専念したら?という常識的アドバイスは百も承知、それが出来ないからアル中なのであります。わかっちゃいるけど、やめられない・・。
 
現役アル中患者であること、例え自己満足に終わっても、歩き旅の記録整理が済むまで死ぬに死ねない、という執念が長寿のモトなのか。だから、せっかく三途の川を渡りかけても、わ、あそこ、まだ書き残しあったわ、とかいって引き返してくるにちがいない。・・いや、三途の川渡りもレポートするんちゃうか。

石田さんの名刺の裏には、石田流「ぼけないための五箇条」が記してある。
1・・仲間がいて気持ちの若い人
2・・人の世話をし、感謝の出来る人
3・・書をよく読み、よく書く人
4・・よく笑い、感動を忘れない人
5・・趣味の楽しみをもち、旅好きな人   

ご本人承諾で写真入り名刺を紹介
石ださんの名刺 


2ヶ月前の旅リポート「鯖街道」を頂戴しました。
80歳のパソコンユーザーでもあります。
石田さんのレポート 

閑人帳

●しみじみ 秋の詩

 広島の知人から、はやばやと喪中はがきが届きました。
なんか、もう気ぜわしい・・と思いながら、文面半分に引用してある、八重重吉の詩に心ひかれました。皆さんもどこかで見た(読んだ)なつかしい詩です。 
  ゆり子  

 

閑人帳

●「鳩山外し」が始まった小沢民主党・・文藝春秋12月号記事 

 2ヶ月以上前、選挙が終わったばかりの9月4日「閑人帳」記事で「駄目男の予想・鳩山政権の寿命は2年以内」と、ええ加減なことを書き、次いで10月18日の「閑人帳」記事「小沢一郎 新闇将軍の研究」紹介文の最後に駄目男の見解として、小沢はもう鳩山を見切ってる、と書きました。今週発売の文藝春秋12月号に、似たような内容の記事が出ています。ポッポさんの敵は自民党ではなく、小沢さんなのであります。

「鳩山外し」が始まった小沢民主党 というタイトル、著者は赤坂太郎という常連の覆面ライターです。この記事だけ、サービスで全文ネットに掲載されてるので、タダ読みできます。興味ある人は一読を。
 首相は鳩山サンであっても、真の国の支配者は小沢であること、相当鈍感な人でももう気づいてるでしょう。また、最近の鳩山さんの迷走ぶりを見たら、小沢さんが愛想づかしして当たり前。ただ、両人とも献金問題、脱税疑惑で検察の捜査対象であるから、先行きのヤバさでは似たようなもんですけど。

■文藝春秋 12月号記事・・かなり長文です。
「鳩山外し」が始まった小沢民主党
http://bunshun.jp/bungeishunju/akasakataro/0912.html

大阪日暮綴

●中之島 蔵屋敷跡の研究

 京阪大江橋駅改札口近くに、江戸時代の蔵屋敷の配置図が大きなパネルで展示してあり、その向かいの「天牛書店」でパネルの資料になった本を売っていたので早速買いました。岡本吉富著「大阪再発見~中之島界隈屋敷跡~」という地味なつくりの本ですが、たいへんな労作なのに800円という価格の安さに驚きました。

■本書の綴じ込みページ 元禄時代の蔵屋敷配置図摂津名所図1

江戸時代の大阪が「天下の台所」と呼ばれたのは、別に誇張ではなく、まさに食料流通の要になった大市場でした。混乱の戦国時代が終わり、一応安定してきた世情のなかで、各藩がビジネス目当てに大阪支店、出張所の形で、今でいえば「物流倉庫」を作り始めます。最初に作ったのは加賀藩、その後、各藩が競うように屋敷を構え、北は弘前藩から南は薩摩藩まで最盛期は100くらいの屋敷が中之島一帯に連なりました。むろん、規模はマチマチで、商売熱心かつ産物の豊かな藩はでかい倉庫群をつくるし、ショボい藩はそれなりに小型の蔵で商いをします。

水戸藩とか紀州藩とか久留米藩なんかは、どこにあるか見当つきますが、吉田藩、蓮池藩、新谷藩、佐土原藩なんてのは知りませんでした。五万石未満のマイナーな藩もけっこうあったわけです。禄高でいうと大は百万石、小は五千石といった凄い格差があります。量はともかく、身丈に合った商売をしたということです。敷地の大小にもえらい差があって、一番広い土地を使ったのは肥後藩(熊本)で、今のR・ロイヤルホテル界隈で9100坪もあったそうです。土佐堀川から堂島川までの陸地巾全部を使っていました。逆に小さいのは秋月藩(福岡)などで、敷地わずか340坪。これで年商どれほどあったのでしょう。屋敷内では今と同じように、営業、経理、総務、警備などの部署があり、西国の藩は参勤交代の折は自藩の蔵屋敷をホテル代わりに使ったので、支店長以下、たいへんな気苦労があったと思います。

主な商品はむろん米ですが、ほかに海産物や砂糖、蝋燭なども扱っていたようです。商品は大きな船で安治川河口まで運び、小舟に積み替えて各藩へ搬入しました。敷地の大きなところは自前の内堀(船だまり)を設けて倉庫入れを楽にしていました。
  市場が大盛況を続けるなかで、現物での商いだけではなく、先を見越して相場をつくる、先物取引のアイデアが生まれ、この新しい流通システムで大もうけをしたのが、ご存じ「淀屋」です。この先物取引のアイデアは世界中で大阪が最初、今一番有名なシカゴの先物取引市場より100年も早かったのです。

下の木版画の写真は別の本からの引用ですが、どちらも堂島蔵屋敷辺りの光景を描いており、上側の絵は普通の「現物取引」。売った買ったで金と商品が同時に動きます。ところが、下の絵は、同じように取引の活気はすごいのに全然商品が見えません。大勢のバイヤーが売った買ったと身振り手振りで商いをしているのです。思惑だけで売買しています。この仕草が後年、株取引にも取り入れられました。(現在はコンピュータシステム化されている)

現物取引の図
画面中央で女性がほうきをもって落ちこぼれた米を集めている。この量がけっこう多く、ひたすら集めて商品として売り、大金持ちになった者もいるという。

名所図2 

先物取引の図
摂津名所図3 

 ■木版画は本渡章著 「大阪名所 むかし案内」より引用。

たまには外メシ

●「実用新案登録」の寿司があるのだ

 友人の案内で難波の寿司店へ。
高島屋の向かい、りくろーおじさんの店の30mほど先に「大阪名物 343(さしみ)鮨」の看板を上げる店がそれ。当店の売り物は、ネタを二枚重ねたにぎり寿司であります。なので、上の一枚目は刺身として食べ、下のネタは普通のにぎり寿司として食べる。すなわち、一度で二度美味しい、なんか、一粒で二度おいしい式のCMを思い出してしまうのでありました。

ならば、相応に値段も高いやろ、と勘ぐってしまいますが、写真のようなネタで一貫250~300円くらい。別に高くはありません。ネタをケチって薄く切ると、寿司はともかく、刺身としては恰好がつかなくなるので、ぽってり感のする切り方しかできないでしょう。

この食べ方を特許申請し、実用新案登録になったそうであります。ゆえに他の店ではマネできない。(マネするときはロイヤリティが必要)ほんまかいな~・・とマユにツバしたくなるけど、どうなんでせうか。ヒマな人は調べてみて下さい。

これらを食べ放題で2500円というコースもあります。飲み放題が1000円だから、都合3500円で寿司食べ放題、酒飲み放題という安いメニューになります。回転寿司よりワンランク上の感じで使うには良い店でしょう。(11月10日)

■343鮨のホームページはこちら・・・
http://www.343susi.com/profile.html

ネタが二階建てになっております。上は刺身として食べる。
さしみ寿司 

さしみ寿司2おわり 

大阪日暮綴

●堺・町家歴史館 山口家公開

 古建築の保存や公開にはいささか冷淡(又は無関心)だった堺市が、先月ようやく江戸時代の民家、山口家の公開をはじめました。江戸時代初期の建築と言われる、もしや日本で最も古い民家かも知れない、貴重な文化財です。

場所は堺区綾之町東一丁、阪堺線綾之町停留所の近く、ごく普通の住宅街の中にあります。面白いのは、300年という、とんでもない長期間のあいだに、今で言う「リフォーム」や増築を何度も繰り返していることです。増築をすると、普通は新旧部分の境目が不自然だったり、デザイン的にぎくしゃくするものですが、それが極めて少ない。はじめから、まるごと建てたような感じがします。施主のセンスが良かったのか、大工さんの腕が良かったのか、たぶん両方だと思いますが。

全体にとても美しく保存されていますが、現代人の目でみると、広さの割にはあまりにも収納部が少ない。そのために土蔵があるのだといわれても、日々の暮らしで蔵を収納部にするのは難儀です。たとえば、仏事なんかで親戚10人が泊まるばあい、ふとんをどこへしまったのだろう・・てな、下世話なことも考えてしまいます。
 そんな、収納ピンチにやむなくこしらえたのでは、と想像するのが、写真の「家具のような押入」です。作ればブサイクと分かってるけど、作らざるを得なかった。そんなふうに見えました。家族や下女にヤイヤイせっつかれて・・そんな感じ、しませんか。

武家や貴族の住まいとちがい、町人の家ですから、見学するほうもつい生活者の目で見てしまいます。かまどの煙の抜き方、井戸水汲みのしんどさ。時代は何百年隔たっていても、身近な衣食住のあれこれを想像してしまう。民家見学の楽しいところです。

■開館 10時~16時  入館料 200円(65歳以上無料)
■休刊日 火曜日 ■電話 072-224-1155

山口家外観。さほど立派な屋敷には見えない。敷地は830平米。
山口家 

30坪くらいある土間の天井
同  

主人のマイカー?の駕籠。置き場所に困る乗り物。
同7 

座敷の一つ。今でも通用するシンプルな設計。
同3 


本文に書いた「家具のような押入」
同5 

茶室
同4  

縁側の軒にぶら下がるのは、単なる飾り?筏を操る姿の人形
後の木は、樹齢200年というハゼの木。紅葉したら、さぞかし華やかに。
同6 




大阪日暮綴

●ミシュラン 二つ星、されど・・・

 店舗設計の仕事をしているOさんから電話あり、はじめはいつも通り不景気を嘆く愚痴まじりの話でしたが、突然、話変わって「自分の設計した店、ミシュランの二つ星とりましてん」「わ、そりゃスゴイ、おめでとう」常識的には「ほな、お祝いがてら、その店でおごるわ」と相成るのでありますが、そこはお互い貧乏人どうし、彼は「ええねん、気い使わんといて、高いから」チャンチャン、で話がしぼんでしまったのでありました。嗚呼、情けない。

今年の春にオープンしたその店、北新地の「弧柳(こりゅう)」は、わずか12席の小さい店ながら、開店早々から評判が良く、いわゆる「通」の評価も高いと聞いていましたが、その実力が認められたということでしょう。もっとも、星を獲得してもかたくなに掲載拒否をする店が多い(特に京都では)こともあり、ミシュラン自体への批判も多々だから、単純にほめまくりというのもヤバイ。(このブログに文春の批判記事載せた様な気が・・)

彼が言うに、オーナーはまだ33歳の青年ながら、あの「喜川」(喜は七を三つ書く)で15年修行して独立した人で、アイデア、センスの良さと誠実な人柄が客の支持を得ているらしい。二つ星をとったからと、それをウリにするような人ではないと。その辺を見抜くのも、ミシュランの仕事なのか。

で、おそるおそる「弧柳」のHPをあけると、おまかせコース、1万円と1万2千円。他の案内記事では、客単価1万5千円~2万円とありました。二人なら3万、4万か。おごったる、やなんて、よういわん。
せめて、食した人のブログで写真など拝見し、食べたつもりに・・
嗚呼、ミジメ。

■弧柳のホームページ
http://www.koryu.net/index.php

■プロのフードライターの食べ歩きブログから
http://kaorin15.exblog.jp/10528259/

閑人帳

●「ヘジョア」・・検索で出ないはず

 下の記事、肝心の名前を間違えていました。きなこさんからの御注進で正しい名前は「フェイジョア」といいます。謹んでお詫びと訂正です。いっしょに提供されたフェイジョア情報も紹介します。キウイが流行るなら、これももっと知られて良さそうですが、万人向きの味、香りではないのかもしれません。

■フェイジョアの紹介、栽培のハウツーの記事です
http://www.feijoa-garden.com/index.html

たまには外メシ

●日本酒が美味しい季節に

 大フィル定期演奏会の「カルミナ・ブラーナ」演奏が終わって、長い長い拍手が済んで梅田へ出たら10時。ちょっと遅すぎるかなあ、と思案しつつも足は自然に「クルラホン」へ向かいました。
 「今夜は日本酒2杯のんでオシマイに」と宣言してから、鈴鹿酒造「作(ざく)」と吉田酒造「雪花」を飲む。・・と、こういう風に書くと、酒飲み、通と間違われそうですが、正しく下戸でアリマス。

一年くらい前、ここで飲んだ吉田酒造の「花嵐」の個性的な香りが記憶に残っていたので。もしや・・と思って注文したが、それはなくて同じ蔵の「雪花」を飲んだ次第。好みからすれば、ちょっと甘すぎるかなあという印象でした。
 吉田酒造は、拙著「さざなみ快道」沿いにあるメーカー。湖西、海津の旧街道にある小さな業者ながら、研究、開発には熱心で、そこそこ固定ファンもついてるのではと思われます。すぐ近くにグルメに人気の「湖里庵(こりあん」があります。故・遠藤周作センセイが名付け親の料亭です。

先月20日ごろから「ヘルペス」を患って、けっこう痛い思いをしたので、今夜は快気祝い? ま、言い訳、理屈はなんとでもなります。

バーでは日本酒を小振りのワイングラスで飲む。うるめをシガシガ噛みながら至福のひととき。9800円のカメラでも、結構きれいに撮れますね。すごく暗いので露出は2秒くらい。(クルラホンの案内はカテゴリー「下戸の止まり木」に)
クルラホン日本酒 

■吉田酒造のHP
http://www11.ocn.ne.jp/~sekka/index.html