読書と音楽の愉しみ

●地図でたどる、旅の思ひ出・・・「鉄道乗りつぶしノート」 発売中

 以前、紹介した新潮社の「鉄道旅行地図帳」の増刊として、同じ判型で「乗りつぶしノート」が発売中です。廃線も含めた鉄道路線が白地図ふうに描かれており、読者は自分の乗った路線をマーカーで線引きして、在りし日の旅を追憶しようというものです。

シンプルな発想としては、一枚ものの日本全図に書き込むほうが一目瞭然で分かりやすいけど、それでは鉄道ファンのこだわりに応えられないのでしょう。地図は地域別に分割されていて凄く詳しい。例えば大阪の場合、昭和34年当時の大阪市電の系統図がA4一頁にのっていて乗った路線がマークできます。 そんな昔のこと覚えてるか? とツッコミたくなるけど、それは非鉄ちゃんの言い分でしょう。

大津~近江今津間の江若鉄道とか、嵐山~愛宕の愛宕鉄道とか、最近廃止になった三木鉄道とか、駄目男の記憶にないような古い鉄道も含めて掲載してあるので、乗ったかどうか「?」の路線もたくさんあります。
 記憶はどこまでさかのぼれるか。とりあえず「修学旅行」あたりからならたいてい覚えてるのではないでしょうか。駄目男の小学校の修学旅行は天王寺~白浜温泉。むろん、蒸気機関車列車で5時間くらいかかったような気がします。

この路線、乗ったか、乗っていないか、必死に記憶をたどりながら慎重に線引きする。これも、いわゆる一つの「検定」になりそうですね。ボケ予防になるかもしれない。(新潮社発行 880円)

乗りつぶしノート 

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閑人帳

●ブログ開設 2周年

 本日、6月25日でまる2年たちました。旧ホームページと合わせると約8年になります。紙に書き付ける日記なら、とっくに「三日坊主」に終わっているところでした。
 この2年間に掲載した記事は約600、快道ウオーキングという看板を掲げているのに、関係のない話題のほうが多いという、ええ加減な内容でネタ切れをごまかしてきました。おかげさまで、かなりの読者が逃げていかれたと察します(泣)。毎回、懲りずにご覧頂いてる皆様方には厚く御礼申し上げます。

今更、内容のグレードアップは無理としても、好奇心の赴くままに、いろんな事柄を自分流に書いていこうと思います。皆様のひまつぶしの一助になれば幸いです。

                         快道メーカー(丸出駄目男)

                                                              kai545@violin.ocn.ne.jp

ア・ラ・カルト

●夏場の楽ちん湯めぐり 天神橋筋から「なにわの湯」へ

 暑くなると湯めぐりマップの楽ちんコースでさえ、出かけるのがおっくうになります。そんな夏嫌いな人にこのコースはいかがでしょうか。歩行距離約3、5キロ、大半がアーケードつき商店街の歩きですから,カンカン照りも雨降りもさして気にならない全天候型コースといえます。

天神橋筋がどこにあるか知ってる人なら地図も弁当も不要、思い立ったら「ほな、いこか」と、タオルと着替えをリュックに入れて出かけませう。
 日本一長いという天神橋筋商店街をぜーんぶ歩いた人は少ないでしょう。この機会に歩いてみませう。のべ約2600m、たしかに長いなあ・・と思いますが、退屈はしません。道草したい人には「大阪くらしの今昔館」見学がおすすめです。予算と時間にゆとりのある人は「天満天神繁昌亭」の昼席を見物して温泉へ行けばとてもリッチな気分になります。家族連れ、親孝行プランとしてもお奨めです。

商店街は南端から入り、天六を過ぎてなお北上、アーケードの無い天七商店街先の大通りで右折、阪急千里山線のガードをくぐったところに「なにわの湯」があります。(商店街の南端は天神橋北詰の先です)

この温泉、8階建てのどでかいビルの8階にあります。1階は「オメガ」チエーンのパチンコ店です。2~7階はすべて駐車場。パチンコ客と同じ玄関から入るとエレベーターが4台もあり、なんでこないぎょうさんあんの?と思いますが、600台収容の駐車場へ出入りするにはこれだけ必要らしいです。

帰りは玄関前に「長柄西」のバス停があり、大阪駅前まで10~15分、頻発。又は天六まで戻って地下鉄や阪急が使えます。

このプランは、近畿信用組合協会の広報誌「いこい」夏号に紹介しています。

■なにわの湯ホームページ(タオルは各自持参して下さい)
http://www.naniwanoyu.com/

■くらしの今昔館ホームページ(65歳以上の大阪市民は無料・要証明)
http://house.sumai.city.osaka.jp/museum/frame/0_frame.html

■天満天神繁昌亭ホームページ(当日券は売り切れの場合あり)
http://www.hanjotei.jp/morning/index.html


長い商店街の南端は天神橋北詰から50mほど先のアーチ。
なにわの湯1 

天満宮の場所がようわからん人はこの大提灯を目印に。
南端から300mくらい先です。
なにわ2 

いまや商店街の活力源になっている「天満天神繁昌亭」
なにわ3 

天満宮境内
なにわ4 

シャッター通りになる商店街が多いなか、天神橋筋は年中にぎやか。
しかし、店舗の入れ替わりはけっこうあり、特にパチンコ屋の盛衰は激しい。
なにわの湯追加 

天六交差点にある「大阪くらしの今昔館」 外観
なにわ5 

 ビルの中に江戸時代の町並みを再現している。細部までリアルにつくりこんでいる。
なにわ6 
昭和初期の堺筋のジオラマ
なにわ8 

なにわ7 

パチンコ店が経営する「なにわの湯」 パチンコ客と温泉客は別人種のごとく、完全に「棲み分け」状態。

なにわ9おわり 
 (完)

プチ・ケチの研究

●にんじんの生かじり・・リ・デザイン

 6月11日掲載の写真見てOさんより御注進あり。
手でつまんで食べるのならグラスに入れたほうがおしゃれですよと。
なるほど。材料ももっと細く切ったほうが見た目にスマートなんですが、細いと食感が貧しくなるのでこれくらいで・・。白いのは大根です。
(おかずにはなりません)

にんじん生かじりー2 

読書と音楽の愉しみ

●水村美苗著「日本語が亡びるとき」を読む

 読み終わったとき、自分の軽薄脳ミソが3グラムくらい重くなったのでは、と思ったくらい中味の濃い本であります。中味が濃いというのは易々と読み流せないということで、ねちねち一ヶ月くらいかけて読みました。

タイトルの「日本語が亡びるとき」というのは、グローバリズムが進むなかで、いずれは英語が半ば「普通語」になり、日本語は「現地語」化して衰退し、やがて日本文化そのものが失われてしまうだろうという危惧を表しています。言語の面から見た「憂国の書」です。
 日本だけでなく、かの誇り高いフランス語もドイツ語もロシア語も中国語も汎用性の大きい英語に飲み込まれてゆく。例えアメリカが経済力、軍事力で世界ナンバーワンの座を降りても、この趨勢を止めるのはもう難しい。日本人の小説家がいきなり英語で作品を書き、世に問うという時代がくるのではないか。

現に、世界に発信する科学論文は英語で書くのが普通であり、難解な和製専門語を駆使して日本語で論文を書く意味が無くなっている。また、政治家や官僚は優れたバイリンガルであるべきで、通訳がなければ外国と交渉ができないような人物は即失業である。
 振り返って、もし、日本人エリートの英会話能力が優れていたら、かの太平洋戦争も避けられたかもしれない。複雑難解な語彙、話術で交わされる国益をかけた外国との交渉において、貧困な会話能力が焦りや誤解を生み、結果、日本に不利益になった可能性が大きい。

だから、日本人はみんな英語を猛勉強して誰でもペラペラしゃべれるようになろう・・と著者が主張しているのかといえば、そうではありません。むしろ、今こそ日本の古典や近代文学を学び、日本文化のエッセンスを身につけようと主張します。目先の便利さや、カンタンさにおぼれ、伝統文化をないがしろにする風潮が文化の衰退=国家の弱体化に至ると。このへんのニュアンスはなかなか伝えにくいのでありますが。

英語の普及についての著者の考えは、日本人全てに英語教育をするのではなく、一部の人(10人に1人とか)を英語の達人に育てることで十分である。熊さん、八っつあんレベルの人まで無理に教え込む必要はない。それより国語教育の充実のほうがずっと大事である、ということです。(同じ趣旨の論は「国家の品格」の著者、藤原正彦氏も述べている)
 
この本を買うきっかけになったのは、雑誌「Voice」3月号のインタビュー記事を読んだからですが、その記事の最後に、日本語の豊かさを守るためにはどんな教育が必要か、という問いがあり、著者はこう述べています。
「まずは優れた文章を読ませるということだと思います。読むという行為は運動と同様、ある年齢までに訓練を受けないと困難になってしまいます。優れた文章というのは、どんなに簡単に書かれたものでも、密度が高く、どこか難解なところがあります。そのような文章を小さい頃に多く読めば、安易な文章のつまらなさが自然に見えます・・」(以下略)

それはさておき、日本語の将来はどうなるのかという一点でも興味があれば随分おもしろく読めること請け合い、かつ脳ミソが3グラムくらい重くなる期待もできる、読み応え十分の本であります。(筑摩書房 08年10月発行)

■追記・・・
 上記第二段目に「日本人の小説家がいきなり英語で作品を書き」とありますが、今から100年以上前に同じようなことを軽々と実行した人がいます。未だにロングセラーを続けている「武士道」の著者、新渡戸稲造です。彼はこのエッセイを米国で英語で書き、アメリカで発行されて大評判になり、逆輸入みたいなかたちで日本語に訳され、日本でもベストセラーになりました。

日本固有の文化である「武士道」を英語で書くこと自体、とても困難に思えますが、優れた二重言語者であった著者には国境も文化の違いもハンディにならなかったということでしょう。現在発行されてる岩波文庫の「武士道」は矢内原忠雄訳本で初版は1938年(昭和13年)ただいま92刷という超ロングセラー本です。他の小説やエッセイでもこのような例があるのでしょうか。

表紙 日本語が滅びるとき 

プチ・ケチの研究

●プチ・ケチの研究 にんじんの生かじり

 かんたんヘルシー料理なんてのがテレビや新聞で紹介されても、実際はそうカンタンに作れないのが多い。駄目男がいうところの究極のカンタン料理は、野菜で言えば「生でかじる」ことに行き着く。

で、にんじんを生のままかじるのであります。なんか馬みたい? そう、これが馬い、いや旨い。(ほんまかいな~)
 馬と違うところは、包丁でスティック形に切ることと、マヨネーズをつけること。経験上、皮は皮むきで2回くらいむいた方が食べやすい。(芯のへんも固い)それでもそこそこ固いから、シガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシガシガとこれくらい噛む。アゴの運動にもなります。

にんじんの香りがストレートに味わえるし、栄養分のロスもない。(にんじんの栄養分は熱で失われやすいと聞いたことがある)
 大根も使えます。唐揚げなど油濃いものと取り合わせると清涼感大であります。但し、これは酒のアテであって、ご飯のおかずにはなりません。ゼッタイ。

余計なことながら、箸を使わず、手でつまむのが駄目男流フォーマル。
箸を使うとなぜか「おかず」っぽくなってしまう。


にんじんナマかじり 

ア・ラ・カルト

●月刊誌「大阪人」で 「南海汐見橋線」特集

 ただいま発売中の7月号で、以前このブログで紹介した汐見橋線沿線を紹介しています。なかなか熱の入った取材です。もっとも、街ガイド、店ガイドが主なので鉄道ファンにはいささか物足りないと思いますが・・。

なんにせよ、ほとんど無視されてるこんな「都会のローカル線」に着目してくれたことがウレシイ。この記事読んで、ほな行ってみたろか、と腰を上げる物好きが増えることを願います。但し、単純に乗車するだけでは何の面白みもない。駅の周辺をウロウロすることが肝要、小道うろついて迷い子になれば幸せというものです。

沿線のご町内で汐見橋線「ヨイショ倶楽部」なんかできたら最高です。
「大阪人」は地下鉄駅の売店でも売っています。580円。

月刊大阪人 表紙 

閑人帳

●昭和12年の大阪って、こんな街だった

 大阪大学総合学術博物館で「昭和12年のモダン都市へ」という戦前の大阪の風景や生活が忍べる展覧会を開催中です。
 目玉展示は「大大阪観光」なる観光宣伝映画です。地下鉄やバス、観光ボートで「お上りさん」ふうに大阪の名所を案内しており、戦争前の大阪市内風景を要領よくガイドしてくれます。現在なら中之島界隈を「アクアライナー」で見物する場面と同じシーンが「観光艇」からの撮影で見ることができ、まさに70年昔にタイムスリップした風景が見られます。

観光艇で中之島から安治川を下り、天保山でUターンするところでは、数秒間、当時の天保山が映り、おお~っ、てな感じで見つめました。現在の天保山はどう見ても「地べた」が山頂なのですが、当時はちゃんと土盛りがあって、その上に「明治天皇観艦記念碑」が建っている光景が見られます。この土盛り部分の高さ2~3mが戦後の過剰な地下水汲み上げにより、地盤沈下したらしい。

昔の通天閣や住吉神社の風景も紹介され、いま80歳くらいの人が見たら、無茶懐かしいでしょう。その世代の方にこのブログを見て頂けないのが残念であります。

■開催期間 7月11日まで。日曜・祭日は休館。
■入場料無料  ■アクセス 阪急宝塚線石橋駅から徒歩10分
■問い合わせ 同館事務所 06-6850-6284

■同博物館のHP
http://www.museum.osaka-u.ac.jp/jp/event.html

展覧会のチラシ
展覧会