読書と音楽の愉しみ

読書と音楽の愉しみ
「文藝春秋」拾い読み・・八月号から


「年金消滅の主犯を暴く」岩瀬達哉 著(本誌106~116頁)
新聞ではあまり報道されない社会保険庁の巨悪ぶりを書いたレポートのまとめです。


●はじめから腐っていた年金制度
日本の年金制度のスタートは戦争中の1942年、ドイツの制度をそっくりマネして発足した。制度をつくった当事者、初代年金課長H氏曰く「この制度の目的は国民から巨大なカネを集めることであり、あえて社会保険たることを要しない」
後にこうも語っている「年金を払うのは先のことだから、今のうちにどんどん使ってしまっても構わない。せっせと使ってしまえ。(原文のまま・厚生年金保険制度回顧録)」


こういう思想が今の年金制度のコンセプトになり、以後、年金関係官僚は「国民のためではなく、自分たちのための年金」として納付金を扱うようになる。


●熱心なのは天下り先の創設のみ
厚生省や社保庁がもっとも熱意を注いだ仕事は、幹部や職員の天下り先をつくること。その結果、全国に290余の「厚生年金福祉施設」をつくった。(厚生年金保養所や厚生年金会館など)これらの運営、維持で仕事を確保、かつ莫大な退職金も手に入れる)

2番目の仕事が年金の徴収。年金の納付は国民、企業の義務だから当然の仕事。

3番目、一番熱心にしなかったのが納付金の管理。これが今大問題になってるわけです。

納付金の記録、管理については紙の台帳記録からオンライン化(コンピュータ化)されたが、その課程で業者との癒着が疑われている。オンライン化のシステム構築にあたり、NTT、日立製作所、日本電子計算機の三社に、なんと1兆3200億円もの費用が払われ、しかもその8割が国民から徴収した納付金でまかなわれた。「せっせと使ってしまえ」の思想を忠実に実現しているわけです。これらの業者も当然、天下り先になり、給料、ボーナスががっぽり頂けます。


●オンライン化に徹底抗戦した労働組合
手書きの台帳式からコンピュータへの移行に労組は大反対。その理由は、今更、難しい仕事を習練させられるのは困る。合理化で余剰人員が出て、人員削減になるおそれがある。
その結果、ようやくコンピュータ端末が各事務所に配置されても、風呂敷をかぶせて使わせないようにしたり、とことん抵抗した。


●歴代長官の最良の仕事ぶりは「無能・怠慢・事なかれ主義」
 社保庁の労組はとても強力で、本庁(厚生労働省)から派遣された幹部は業務改善うんぬんより、職員のご機嫌取りに汲々とする。しないものはイジメに遭う。幹部は幹部で、どのみち社保庁の仕事なんか「腰掛け」にすぎないから熱意なんか湧かない。
ゆえに、歴代社保庁長官で社会保険の業務内容に精通した人は一人もいなかった。


●なんと優雅な人生
「しかし、歴代社保庁長官や年金局長たちは全くなんの責任も感じていないかのようだ。ひたすら知らん顔を決め込み、うらやましいばかりの優雅な天下り人生を満喫し続けているのである。 原簿の廃棄を通知した正木長官の場合、退官後、天下り先を五カ所渡り歩き、報酬や退職金の総額で約3億6600万円を受け取っている」(カッコ内原文のまま)


●納付金の横領なんて朝飯前
私たちが納めたお金をダイレクトにポケットに入れた職員もいる。
「・・・あげく、れわれの納付した掛け金を社保庁職員が国庫に納付することなく、横領し、納付記録をつけていないケースも発覚している。会計検査院が89~02年までの間に指摘しただけでも、複数の社会保険事務所で総額2376万円の掛け金の横領が発生していた」(カッコ内原文のまま)


年金管理がずさんなだけではなく、モロに横領した職員。まさか「ポケットに入れた」と記録できないから「記録不備・行方不明」にする。国民もナメられたもんです。上の例は氷山の一角でしょう。職員17000人のうち、何%かは犯罪者であることを認識するべきです。(引用・参照ここまで)


■■泥棒に追い銭?
・・なわけで、年金システムが大混乱に陥り、各地で「年金相談窓口」が開設されました。
土曜、日曜も受け付けるとかのサービスをしていますが、もっか、職員は大忙しでしょう。残業、休日出勤・・ところで、これらに支払われる手当、旧来通りなら給料の二重取り、泥棒に追い銭になりません? ちゃんと仕事をしていたら必要の無い経費です。その辺、どうなってるのでしょうね。

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