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閑人帳



●都構想反対論 ~その8~
   賛成派が楽勝の予想ぐらつく

 前回の投票と異なり、今回は公明党と自民党の一部が賛成にまわったので、住民投票では賛成多数で楽勝する、が大方の予想だった。実際、9月の世論調査では賛成派が10ポイント以上の差をつけていた。ところが、ごく最近になって賛否が拮抗してきたという調査結果が報道された。単純にいえば「アホな市民が学習して賢くなった」といえる。維新の会が発行する、ええ加減なパンフをみて、さすがにこれは怪しいと疑うようになった、といった変化が起きてるのかもしれない。あるいは、新聞、TV以外のネット情報などに接して知識を増やしたこともあるだろう。若者の維新の会支持が増えないとすれば、ネット情報の影響が大きい。

 ・・という案配で、知事や市長は少々焦ってるのではないか。藤井聡教授の話では藤井氏と吉村知事とのabemaTVでの対談番組が知事のドタキャンで中止になったとかでボヤいていた。藤井氏のツッコミ質問に不安を覚えたのか。ずっと攻勢をつづけてきた維新の会が近ごろは防戦に回ってるような感がある。松井市長も口をひらけば「反対派のデマに困ってます。騙されんように」と言う。オイオイ、てんこ盛りのデマをばらまいたのは維新の会でせうが。

 公明党が賛成に転向したからといって、創価学会信者のすべてが賛成投票するものでもないらしい。そうだとすれば大きな誤算だ。万単位の信者が反対投票すれば学会内に大きなしこりを残す。そもそも、公明党が賛成に回ったのは都構想の政策に賛同したからではない。反対するなら、公明党常勝の大阪の選挙区に維新が候補者を立てるぞ、と脅かされたからである。市民生活の向上に何の関係も無い「党の都合による転向」だ。情けない政党である。そんな事情を知ってる信者が、創価学会の指示より、自分たちの暮らしのほうが大事だと考えたら大問題である。むろん「反対」を公言する信者はほぼいない。賛成票を投じますと約束して「反対」票を投じる裏切り方、なんか、米国の「隠れトランプ票」に似て笑える。万一、勝てなかったら大阪の幹部は切腹モノである。


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アートシーン 


●<子供 本の森 中之島>見学

 コロナ禍で開館が半年遅れた。オープンしても「3密」を避けるため、入場制限していて訪問は予約しなければならない。ご存じのように、この図書館は建築家、安藤忠雄氏が自ら設計した建物を大阪市に寄贈する今どき珍しい開設方法になる。(近くの府立中之島図書館も住友家による寄贈だった)土地は大阪市が提供した。本は1万8000冊あるらしいが、ほとんどは出版社や個人からの寄贈による。建て物が個人からの寄贈といっても運営費の電気代や水道代などは大阪市の負担になるのではないか。(不詳)維新の会や市長に言わせれば、「二重行政のうえに民間人が図書館つくったら三重行政やないか。余計なことするな」がホンネでありませう。
 
 図書館での読書といえば当然、椅子、テーブルでが常識だけど当館にはそれは少ない。階段で読んでもいいし、工事中の館前の公園ができたら外で読んでもかまわない。むしろ、それを薦めるみたいだ。但し、貸し出しはしない。ここが一般の図書館と大きく異なる。

 蔵書は子供向けの本ばかりでなく、大人しか読まないような本もたくさんある。充実してるのは絵本で、内容、装幀、とも贅沢すぎるくらいのクオリティをもつ本が並んでいる。自分の子供時代(昭和20年代)は世間全体が文化砂漠状態だったから、絵本などかいもくなく、読みものならなんでもええか、みたい感じで大人向けの「講談倶楽部」の銭形平次捕物帖なんか読んだ覚えがある。小6くらいになると漢字がかなり読めるので不便はなかったように思う。今の恵まれた子供たちが羨ましい。(10月23日)


 本の森  


本 



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閑人帳 


●都構想反対論 ~その7~
  三橋貴明氏の「維新の会=詐欺師」論

 前回の記事のおわりに「維新の会は詐欺師政党」と書いたが、おなじ日に三橋氏は自身のブログで「維新の政治家はなぜ平気で嘘をつけるのか」という記事を書いている。以下、文の後半を引用する。

https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12633298827.html

『市民は住民投票の正式名称で大阪市廃止を初めて知った』
 大阪市で実施される住民投票(11月1日投開票)の正式名称は「大阪都構想の賛否を問う住民投票」ではなく、「大阪市廃止・特別区設置住民投票」である。これは大阪市選挙管理委員会が決めた名称で、ここには「大阪都構想」の文字はない。
  いわゆる都構想とは大阪維新の会が最大の政策とする彼らの政治的理念であり、本来は役所が使う用語ではない。今回は市民からの陳情もあり、この名称になった。「今回は」と断ったのは、前回は「大阪市における特別区の設置についての投票」が正式名称で、そこには「大阪市廃止」の文字がなかったからだ。だが、大阪市の廃止こそが同構想の最大のポイントであり、維新にとっては“不都合な真実”のようである。(後略)』

 『藤井聡 @SF_SatoshiFujii
 #大阪都構想 の「財政効率化で1兆1千億」という話は学術的には完全に間違いである事が明白(
https://satoshi-fujii.com/wp/wp-content/uploads/2018/09/fujii.pdf)。にも関わらず吉村知事がその「間違った値」をそのままチラシで使って有権者に賛成を促すなど、法の精神からいって完全に許されざる暴挙だと考えます。』

  そもそも、2015年の住民投票時、大阪維新の会は、「今回が大阪の問題を解決する最後のチャンスです。二度目の住民投票の予定はありません」(大阪維新の会の公式HPより)公式に宣言していたのです。ところが、平気で前言を翻した。つまりは、嘘をつく。

  なぜ、維新は平気で嘘をつけるのか。もちろん、報道(マスコミ)を味方につけているという点も重要ですが、より本質的な理由として、彼らは自身もエニウェア族なのです。つまりは、特定の共同体に属しているわけではない。

 我々は、なぜ嘘をつくことを逡巡するのか。それは、属している共同体からの「視線」「批判」が怖いためです。 ということは、自分が共同体と無関係に生きられると確信(というか、勘違い)をしている連中は、嘘をつくことに躊躇いがないということになります。あるいは、躊躇いが無くなる可能性が高まる。

  今回の「大阪市を廃止し、特別区を設置する住民投票」では、反対派の議員たちが懸命に「大阪市は廃止されます」と人々に説明しても、支持者からまで、「そんな、維新のような政党が、そこまで堂々と嘘をつくわけないじゃないか」と、妙な反発をされてしまったそうです。
  そこまで、嘘をつくのですよ、彼らは。そして、「共同体からの視線」が気になり、嘘をつくことを躊躇う我々には、「堂々と嘘をつく」彼らの手法の「存在」自体を信じられず、騙される。

  それにしても、前にも書きましたが、維新や松井市長、吉村知事らが嘘をつくのは、これは彼らの腐敗に過ぎません。彼らの嘘が、ここまで批判されずに拡散してしまうことこそが、「政治の腐敗」です。嘘が蔓延る政治の腐敗を、正しましょう。これは、日本国の有権者である我々にしかできず、我々がやらなければならないのです。(引用終わり)

 三橋氏が言う「維新の会はどの共同体にも属していない。だから平気で嘘をつける」という指摘は重要、かつ納得できる情報だ。
 一方、新聞、テレビなどのメディアは維新ヨイショ組が多いが、ネットの論壇で維新の会の政治思想、手法をプラス評価する情報は見当たらない。批判情報がほとんどといって良い。ということは、新聞やテレビを主な情報原にしている人は自ずから維新の会に洗脳されてしまうことになる。ネットで情報を検索して読むより、テレビのワイドショー見てるほうが楽ちんだしね。都構想賛成派は知的レベルが低いといわれるのはこんな情報環境が影響している。自ら学習しようという意欲などまるでない。前にも書いたが、維新の会にすれば、市民はアホのままでいてくれるのが一番良い。賢くなってもらっては困るのだ。維新のパンフレットのええ加減な内容は読者がアホであることを前提に書かれている。だから、平気で嘘情報が書けるのである。

閑人帳



● 都構想反対論 ~その6~
   知らん顔でいいのか、大阪市の巨額コロナ禍赤字

 以下は9月9日の日経記事(電子版)
 大阪都構想 2020/9/9 21:24日本経済新聞 電子版

大阪市の収支悪化 21年度、都構想試算は見直さず 
 大阪市は9日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2021年度の財政収支が637億円の赤字になるとの見通しを明らかにした。赤字額は20年度当初予算(107億円)から大幅に拡大し、市が収支不足額を公表し始めた12年度以降で最大。税収が20年度比で約500億円減少するほか、新型コロナ対策費用が膨らむと見込んだ。(引用ここまで)

 都構想を現実化する前にコロナ禍という想定外の大障害が発生した。問題の深刻さを鑑みれば「都構想投票なんかやってる場合か」という状況である。さらに、市民の生命、健康の危機だけでなく、経済にも大ピンチ到来となった。来年の財政赤字は637億円の予想だという。
 これが何ほどの金額に該当するか、先般、紹介した大阪市の資料の32ページを見てみよう。(下の図参照)


都構想  

「特別区の設置に伴うコスト」の説明で、システム改修、庁舎整備、移転、街区表示変更、の三項目の合計が241億円である。庁舎整備に関しては、住民の不便は承知の上、新しい区役所庁舎の建設はしないという節約予算でこの数字だ。これだけでも巨額だが、コロナの赤字637億円はこの3倍近い金額である。しかも、コロナ赤字は恐らくあと何年も続く。ハヤイ話が、都構想実施の費用とコロナ赤字で大阪の財政は破綻に至る。これを防ぐには思いっきり住民サービスを削って赤字を減らすしか無い。・・・にもかかわらず、知事、市長はこの重大問題に知らん顔している。知らん顔するしか、ほかに対応のしようがないのが本音だろう。

 もともとは大阪府が大阪市の財源を「むしり取る」意図で考えた都構想なのに、むしる相手が大赤字では1円の金も取れない。どうするの? アホな大阪市民のせいで、大阪府民を巻き込んでの無理心中、という場面である。心中をそそのかしたのは知事と市長と維新の会だ。このきつい状況のなか、なお「大阪市を廃止しても住民サービスが低下することはありません」と宣伝する維新の会の厚顔無知にはあきれるばかりだ。維新の会=詐欺政党と言われてムカつくなら反論してみよ。

閑人帳


●都構想反対論 ~その5~

あきれた「産経」の維新ヨイショ記事
 大阪のメディアは橋下徹サンが地元にいるせいか維新に甘い。10月10日の産経新聞夕刊の一面に「都構想ツイート・気になるワード」という見出しがあった。本文を読むと維新が発行したパンフに「二重行政のムダ」の例として大阪市中央図書館と大阪府立図書館をあげている。これに松井市長の「いずれ2館とも建て替えるときに同規模で維持管理すべきかという問題提起だ」というコメントを添えた。

 ネットでパンフの画像を探して調べたところ、インテックス大阪やグランキューブなどとともに、府立、市立、二つの図書館は「二重行政によるムダな投資で多くの税金が使われました」という見出しで紹介している。(下の画像参照)どう読んでも「二つの図書館は無駄な投資」としか理解できない。さらに、機能も用途も全然ちがうインテックス大阪とグランキューブを並べて無駄な投資とする説明にはアゼンとするしかない。このパンフの制作に関わった人の知的レベルは小学生並みだ。

 この維新の会のひどい内容のパンフを見て多くの人が批判や疑問をネットに投稿したらしい。そこで維新ヨイショ係、産経の出番だ。一週間後の10月17日付け朝刊の31面で「ムダ指摘で誤解拡散」なる大きな見出しの記事を載せた。維新がパンフで二重行政のムダを指摘したところ、世間に誤解されて都構想で図書館が廃止されるとの情報が拡散した、というのだ。さらに、このパンフを詳しく読むと別のページで図書館はそのまま残ります、という説明があるという。一つのパンフに二つの真逆の情報を記載していると認めた。なのに、産経は、パンフの内容は正しいが、読者が誤解してまちがった情報を流しているという。オイオイ、気は確かか?産経サン。

維新の会がつくったドジなパンフレットの擁護、尻ぬぐいを産経がやっているということである。こんな、すぐバレるヨイショ記事をよくも載せたものだ。読者をナメてるのか、と言われても仕方 ない。本日「産経は維新の会から裏金もろてまんのか?」と素朴な疑問を送信しておいた。

 維新の会発行のPRパンフレット
 維新の会 パンフ






閑人帳


●都構想反対論 ~その4~

 都構想反対本表紙 


遅かりし・・・都構想反対論の本
 今ごろになって上のような本が出版された。ちょっと、遅すぎるんじゃない?・・出版社さん。著者は藤井聡(京大大学院教授)。せめて、9月上旬くらいに出しておけば、反対派の資料になれたのに残念。で、ページを開けてビックリしましたね。筆者が第1回の反対論で書いたこととソックリのことが書いてある。

筆者が書いたのは・・・
 とても独善的な考えだけど、賛成、反対票は以下の状況で決まる。
・都構想の中味を皆目知らない人・・・賛成票を投じる。
・都構想の中味を学習してる人・・・・反対票を投じる。だった。

本書にかいてあることをスキャンすると・・(27P~28P)以下のような文になっている。

反対本中味  


 筆者が独善的とことわって書いた文は普遍的だった、ということ(笑)。藤井センセも「都構想は、知識のない人が「賛成」に投じる」とハッキリ書いている。大阪市民の知的レベルが問われる住民投票なのだ。もし、結果が70対30とかで賛成派の圧倒的勝利なら大阪市民はアホばかりということになる。いっぽう、差が10ポイント以内なら、半分近くの市民を敵にまわしての施政になるので、知事さん、市長さんには大きなプレッシャーになり、都構想実現はイバラの道になること必定だ。

堺市民は高みの見物?
 初期の大阪都構想には堺市も含まれていた。なので橋下さんは堺市長選挙で腹心の竹山修身氏を市長候補にたて、思惑通り当選した。ヨカッタ、と喜んだのもつかの間、竹山氏は都構想参加反対、と寝返ったのである。結局、3期勤めたが末路は石もて追われるのごとく、ミジメだった。それは別として、市長でなくても、せっかく獲得した政令指定都市の権利を捨てて格下の「堺区」になるなんて市民感情が許さない。しかし、竹山氏のあとを継いだ永藤市長は維新の会所属である。これでまたねじれが生じた。ま、堺市民は今度の大阪都構想投票を大阪府下では一番高い関心をもって見守るはずである。現在の堺市のHPには政令指定都市を以下のように説明している。(以下引用)

 政令指定都市とは、全国の市町村の中で、市民の皆さんの暮らしや地域のまちづくりに関わる権限と財源が最も保障された制度です。子育て・教育・都市計画などに関する権限や財源が多く移譲され、自分たちの「まち」のことは自分たちで決定できる「自治」が最も大きく認められています。現在、日本を代表する20都市が政令指定都市に指定されています。堺市は、平成18年4月に政令指定都市に移行しました。
https://www.city.sakai.lg.jp/shisei/daitoshi_chihobun_koiki/seirei/index.html

参考<全国の政令指定都市20市>
札幌市.仙台市、さいたま市.千葉市.川崎市.横浜市.相模原市.
新潟市.静岡市.浜松市.名古屋市.京都市.大阪市.堺市.神戸市.岡山市.広島市.北九州市.福岡市.熊本市.

このような指定都市の権利を捨てて格下の「堺区民」になりたい市民がいるだろうか。一人もいない、かもしれない。と言うことは永藤市長の立ち位置は難しくなる。都構想参加を唱えて次の選挙で落選するか、維新の会に背いて無所属になるか、の二者択一を迫られる。後者の選択なら竹山修身氏に続いて維新の会を裏切るという珍しい政治事件になる。

閑人帳


●都構想反対論 ~その3~(タイトルを改めました)

密かに生まれる「二重行政」
 前回文章の後半で「特別区設置協定書」の紹介をした。説明した財産の承継の他にも怪しい説明があるけど、31ページの「一部事務組合」もそのひとつ。なんのこっちゃねん、と訝る名称である。 わかりやすい例でいえば、現在、港区にある「中央体育館」これは大阪市民なら誰でも利用できる施設であり、新しい「淀川区」の施設にすると不公平が生じる。4区全体で維持するべき施設といえる。しかし、一つの体育館を4区で管理というのも不合理だ。だから4区とは別の組織をつくってそこで管理するという発想になった。ベターな施策かもしれないが、どう見ても二重行政だ。4区全体のシステム管理も同じ理由でこの「一部事務組合」が行う。これらの業務に携わる人員を400人と見積もっているが、とてもこの人数でこなせるとは思えない。本当に必要な人数を記せば二重行政ではないか、と疑われるので隠している。

 自分の想像だが、ひょっとしたら、ゴミ収集や清掃工場稼働などにも適用されるかもしれない。今まで大阪市が一元管理してきた清掃業務を独立した4区がそれぞれのシステムで行えば無駄や無理、不公平が生じる可能性がある。だから外部の別組織で運営する、すなわち二重行政である。こういう懸念に関わる説明はない。あれほど「二重行政の解消」を叫んでいながら、足もとで二重行政が生じる。そこには利権が生じること必定だろう。

図書館は二つもいらん
 二重行政に関してこんな新聞記事を読んだ。大阪には府立の図書館と市立の中央図書館という二つの大規模図書館がある。松井市長はこれを二重、無駄な施設として一つにできないかと言ってる。これは維新の会が配布しているパンフにも記されているらしい。(現物未確認)大阪には大型の図書館は二つも要らないという、このセンスには溜息がでる。政治家に教養は要らない、ということを自ら体現している橋下サンとそっくりだ。こんな人物が市長の椅子に座ってることだけで恥ずかしい。因みに、近隣の兵庫や京都、奈良などはすべて府立(県立)と市立中央図書館が併存している。なぜ、二つあるのか。必要だからである。 


閑人帳



●「都構想反対」を投票する ~その2~

 大阪府知事、大阪市市長とも維新の会が制して以後、当然ながら府と市は協力し合う関係になったから「二重行政」は急速に解消に向かった。無駄が減り、運営効率が良くなるなどの改善効果は評価できる。松井市長は二重行政を「府市合わせ」(不幸せ)と揶揄してその解消を誇る。都構想の最大の目的である二重行政の解消が進んだことは多くの市民が認めていると思う。しかし、知事、市長と維新の会はそれで満足しない。

 彼らは主張する。「二重行政が解消しつつあるのは現在の府と市の協力の賜で、これがいつまでも続く保証なない。だから、二度と不幸な二重行政が復活することがないように仕組みを制度化する必要がある。その制度化の最良の手段が大阪市を廃止することだ」という。大阪市が無くなれば「二重」は無くなる。大阪市民を区民(四つの特別区民)に格下げすれば、二度と二重行政は復活しないと。とても分かりやすい。

 格下げというのは筆者の判断で、知事さんも市長さんも絶対そんなひどいことは言わない。彼らは「大阪市が無くなって特別区になっても市民へのサービスレベルは変わりません」と言う。しかし、当然ながら、保証するというような文言はない。大阪府が大阪市から年間2000億円もの金と市民の権限を奪っても「サービスレベルは変わりません」という。ホンマか?・・。都構想賛成の人たちはこの大事な案件をほとんど理解していない。市民が区民になっても生活レベルは変わらないと思ってる人がほとんどだろう。(だから賛成するのだけど)

 金と権限を奪う、なんてのもひどい言い方だけど筆者が実感するだけではない。孫引き記事ながら、読売新聞2011年6月30日に、当時の大阪府知事、市長のダブル選挙についての、橋下知事の発言で「大阪市のもっている権限、力、お金をむしり取る」と述べている。むしり取るイコール奪うである。これが、つい漏らした本音だろう。こう言いたくなるくらい、当時の大阪府の財政は苦しかった。これを改善する手っ取り早い手段が大阪市から金と権限を奪いとることだった。都構想の理想が大阪都に発展することだとしても、その基本のキはまず「大阪市を潰す」ことだった。大阪市民の権限と金をむしり取るというのは都構想の実現のためのイロハの政策と言える。

 毎年毎年、恒常的に金をむしり取るだけでなく、施策のベースになる大阪市の財産も約30%が大阪府に承継される。その説明が先月配布された「特別区設置協定書」全42ページの29ページに載っている。総額11兆4960億円、国家予算の1割に匹敵する大金の移動がたったA4紙1ページで説明されてることに驚くが、さりとて1000ページで説明されても困るという難儀な資料である。そこに大阪市の資産約11兆円のうち、約3兆5千億円を大阪府に移す(橋下サン風にいえば、むしり取る)と明記してある。

 何をむしり取るかはまだ未定だが、協定書に書かれた概要では金儲けになるインフラ、たとえば、空港や港湾、高速道路、大規模公園、国際見本市会場などと観光振興策、美術館や博物館などが対象だ。逆に、こんなもん、ゼニ儲けにならないから要らん、というのは学校や幼稚園といった教育施設や市営住宅、保健所、斎場、老人施設、小公園、などだ。教育関係では大学だけは頂きますというからがめつさ見え見えではないか。たった1ページの資料だけど、賛成派のひとは是非見てほしい。大阪市を廃止することは大阪市民を格下げすることだ、の意味が少しは理解できただろうか。大阪市民の権限と資産をむしり取られて、なお都構想に賛成する人の知能レベルは詐欺被害者とチョボチョボや、といわれても仕方ない。


協定書の29ページ「財産承継書」の金額表示
 都構想 

都構想




閑人帳



●「都構想反対」を投票する理由 ~その1~

 公明党と自民党の一部が賛成にまわったことで投票結果は賛成多数が確実になった。公明党支持者は票数が読めるうえ、ほぼ全員が賛成投票するので、知事さん、市長さんは「勝った」と安堵してるかもしれない。

 とても独善的な考えだけど、賛成、反対票は以下の状況で決まる。
・都構想の中味を皆目知らない人・・・賛成票を投じる。
・都構想の中味を学習してる人・・・・反対票を投じる。

都構想に関する知識レベルの高低が賛否を分けると言って良い。知識レベルの高低ってどういうことか。こんな考え方はどうか。賛成、反対のいずれかを唱える人に「賛成、又は反対の意見を1000字以内で書いて下さい」と有権者にお願いしたとする。独善的判断では、賛成する人は1000字未満で早々に書き終える。反対する人は1000字では書ききれない。知識レベルの高低とはこういうことである。賛成論者には「都構想のことはよく知らないけど、知事さん、市長さんを信頼している。あんじょう頼みます」オワリ。という人がかなりおられるのではないか。

 学習しないアホな市民が多いほど有り難い、というのが知事、市長、維新の会の本音でありませう。都構想の中味と知事、市長への信頼感とは全く関係が無い、ということすら気がつかない人がいる。ジャパンライフへ何百万も投じてエライ目に合った被害者と同じだ。事実と信頼感とは何の関係も無い。

 それにしても都構想の中味はややこしい。2時間の説明や50ページの印刷資料を読んでも、ほとんど理解できない。自分の察するところ、知事、市長でさえ、まるごとは理解していないと思う。細部でツッコミ入れられたら答えられないケースがたくさんあるだろう。要は、あいまいさを一杯残して、未完成の構想で賛否を問うのが大阪都構想である。

 イジワル言うと、大阪都構想とは大阪市民を被害者に想定した壮大な詐欺構想みたいなものだ。泣きを見るのは市民である。賛成多数で実現へ進む過程で「こんなハズではなかった」「そんな話は聞いてない」の不安や不満が噴出するだろう。しかし、もう後戻りはできない。薄っぺらな考えで大阪市民であることを捨ててしまったことを悔やんでも後の祭りである。アホな市民が悔やむだけでなく、反対した市民をも不幸に引きずり込んでしまうことを忘れないでほしい。

 大阪都構想が本当に優れた行政改革システムであるならば他府県も見習ってよいはずである。しかし、兵庫県も神戸市も、京都府も京都市も知らん顔しているのはなぜか。松井市長は「狭い大阪府のなかで」と口癖のように言い訳するが、面積が一番のネックだと言うのか。
 他人事ではあるけど、仮に、神戸市民が兵庫構想で神戸市民でなくなるとわかれば黙ってるだろうか。住所が兵庫県東灘区御影町・・になって神戸市民はなんとも思わないのか。京都市民が京都市民でなくなると分かれば黙ってるだろうか。しかし、大阪市民は意外に反論、嫌悪感がない。なぜなら、いずれ「大阪都民」になると思ってるからである。だが、今のところ「都民」になることを約束するようなルールや予定の手続きは全くない。アホな市民が勝手に思い込んでるだけである。

大阪都民を夢見るより、大阪市民でなくなることの危うさに気づいてほしい。大阪市民であることと、大阪府特別区民であることとは天地の差がある。大企業と小企業くらいの格差ができることを学んでほしい。端的に言えば特別区とは大阪府の下請けでしかない。大事なことは何一つ決められず、いちいち親会社(大阪府)のお伺いをたてなければならない。そんなマイナーな「区民」に落ちぶれていいのか。

ウオーキング・観光 


● 刃 ビル

 敷地が三角形の土地に建物を建てるのは難しい。三角のひとつが30度以下の鋭角になってる場合はさらにデザインが難しい。人間は古代から丸形または四角型のスペースに住まうのが合理的とされてきたので三角の空間はとてもなじみにくい。一方で、使いにくさを承知で三角のスペースを利用すると建て物の端っこは刃のようにとんがってしまい、実用にならない。ならないけどつくってしまったのが写真の「刃ビル」。たとえ10センチでも土地を無題にしたくないというオーナーの執念が「刃先」にあらわれています。

 10年ぶりくらいに近鉄新石切駅で降りて刃ビルの健在を確かめました。新駅の駅前開発で地元の住民や不動産業者が土地を奪い合った末、超ハンパなスペースができ、住居は無理でも店舗ならできると思ってこんな狭小ビルを建てた、と想像します。目分量では間口は7m、奥行きは東側2m、西側0,1m。面積は7~8㎡と推定します。6畳の和室(9,7㎡)より狭い。

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 長居公園の西向かい、あびこ筋に面した刃ビル。視覚的に刃に見えるポイントは限られているので通行人のほとんどは気づいていないと思われます。近くで見ると、刃の先端は幅が2mくらいあり、刃にはなっていない。しかし、壁面の角を丸く仕上げてあるために幅の寸法がやや曖昧に感じられ、遠方からは薄く見えます。一階は靴屋さんで狭い端っこまで商品陳列に使っています。上部は賃貸マンションで当然、部屋は三角形と思われます。他にも市内で刃ビルを見かけたような気がするのですが思い出せない。


yaibabiru  





閑人帳



●難儀な「人生アルバム」づくりだけど・・

 昔の写真アルバムを編集しなおして自分の人生を振り返ってみようという試み、9月12日の記事で少し書きましたが、試験的に作業してみると写真を整理するという単純な発想では混乱するだけだと分かりました。なにが問題なのか。答えはコンセプト。まず、何を伝えたいのか(表現したいのか)をよく考えてから整理することが肝心と気づきました。

 スタートで躓いてしまったけど、無いチエ絞って考えたコンセプトは「退屈しないアルバム」をつくること。なんとも次元の低い発想です(笑)。ご自分のアルバムを繰ってみるとわかりますが、主人公である自分が見ても「退屈なアルバム」です。記念写真やスナップ写真が時系列で無造作に貼ってあるだけ。自分が見ても退屈なアルバムを身内や他人が見て楽しいはずがない。こんな退屈写真(アルバム)が大量にあると、本人の死後、ゴミ処分されても仕方ない。何十年もかけてゴミを溜め込んできただけだった、と言えます。

 「退屈しないアルバム」って、どんなん? これは作り手によって発想が異なります。これがベストといえるひな型はありません。強いてイメージをいえば「何度も見返したくなるアルバム」と言えるでせうか。それを真剣に考えると作業ができなくなるから、そこはええ加減にして、まず「退屈な写真」を捨てることにしました。全体の8割~9割を捨てます。(人によって3割とか5割とか、いろいろ)残った写真で「退屈しない」編集をします。そのとき、昔々のことが走馬燈のように(ふる~~~)脳裏に蘇ります。こういう経験って意外に機会がない。昔のアルバムの編集ってタイムスリップを楽しむチャンスになる。結果の出来栄えが少々悪くてもやってみるネウチはあると思います。


編集例:自分でもお気に入りの写真。1960年代、広島県三段峡のランプの宿。後ろ姿は同行のIさん。
 人生あるばむ 

編集例:大阪市港区築港に住んでいた・・を語る夕陽の港の写真。L判写真をA4サイズに拡大。

人生アルバム


private  のらくろ会情報



●野楽路会行事 ごあんない
「竹の杜」で芋煮会 ~要予約~

 たなかさんのお世話で芋煮会を催します。野楽路会最後のアウトドア行事になりますので、ぜひご参加下さい。
*11月3日(火)文化の日  (小雨決行・・部屋を借ります)
 近鉄関屋駅 10時45分集合
 参考ダイヤ
 鶴橋駅・・・・・・・10:14発 青山町行き急行
 河内国分駅で榛原行きに乗り換え・・10:31発
 関屋・・・・・・・・10:36着

*材料は各自一人分を持参して下さい。
 里芋以外の豚肉、野菜などと必要ならおにぎりも。
 箸や皿など食器も各自で用意。ビールは関屋駅の自販機で買えます。
 調味料はたなかさんに用意してもらいます。終了予定2時ごろ。
*参加費:500円
*予約:予約は11月1日迄に小西あてにメールか電話で。

***************************

●中之島 こども本の森 見学
 東洋陶磁美術館の東隣にできた安藤忠雄氏が設計した子供対象の図書館。7月に開館しましたが、コロナ禍で一般人の見学は予約制になっています。(一回の入館は75人までに制限)興味ある方はご参加下さい。見学は無料。(マスク着用)
*10月23日(金)雨天実施
*11時10分 メトロ淀屋橋駅 北改札口(切符売場前)集合
 見学は11時30分~13時ごろまで。
*見学後近くの店で昼食の予定。
*参加申込み 先着3名まで。小西あて申し込んで下さい。 
******************************
お知らせ・・「東大阪文学散歩」は田辺聖子文学館の年内閉館が決まったので中止します。
~以上~


読書感想文 



●天野太郎著「阪急沿線の不思議と謎」を読む

 阪急線で長いあいだ不思議に思っていたことがある。淡路駅には2,3,4,5号線と4本のホームの表示があるのに1号線が無い。無いなら1~4号線にするべき・・と不思議に思っていた。駅員さんに尋ねてもいいけど、あまりにしょーもない質問なので遠慮した。その理由が本書に載っていました。そうだったのか、であります。

 そのワケは鉄ちゃん好みの結構マニアックな事柄でした。昭和30年代まで淡路駅には5本のホームがあった。1号ホームは十三~淡路間の短距離の支線のホームだった。それが、千里山方面への北千里線の延伸によって梅田~北千里が直結され、このハンパな支線は廃止された。北千里方面の列車は2号ホームを使うので1号線は廃止されたが、その際、他の番号を変更しなかったため、1号抜きの2~5号線表示になった。表示を変更して混乱を招くより、ほったらかしにしたほうがベター、というわけです。まあ、納得ですね。

 これは既に知っていたことですが、この「淡路駅」って淡路という町名からとった名前だけど、淀川べりの街がなんで淡路やねん、と不思議に思う人もいるでせう。由来は菅原道真の時代まで遡ります。道真が陰謀によって太宰府へ流されるとき、京から船で川を下る途中、このあたりで一服するのですが、当時は千里あたりまで海が入り込んでおり、周辺には小さな島がたくさんあった。なので、道真はカン違いしてお付きの者に「ここは淡路か」とたずねた。これが東淀川区淡路町の町名由来です。本当の淡路島とはぜんぜん関係ありませんが千年の歴史を有する古い地名です。

 本書ではじめて知ったのは神戸線「夙川」駅の由来。高級住宅地のイメージがあるけど、本来は「宿川」だったらしい。昔は東西交通の要所であったから宿場として賑わい、その中を流れる川も「宿川」だった。宿場町でなくなってどなたかが「夙川」と変えて現代に至るが、なんとなく宿川より高級そうな感じがするのが不思議です。

 阪急京都線が東海道新幹線の線路を借用して走っていたことがある・・なんて話もなつかしい。1963年だからもう60年近い昔のできごとです。これ覚えてる人、あの世が近いですぞ。(2015年 実業之日本社発行)


hannkyuu





読書感想文  



●宮沢賢治著「銀河鉄道の夜」を読む

 太宰治の「人間失格」の次ぎにコレを読むと・・もう宮沢ファンタジーについていけない。思い出してみれば、この本、過去にも何度か読んでいて、しかし、途中でヤンペしてたことに気づきました。長い話ではないのに、干からびた心の持ち主には退屈な物語に思えた。嗚呼、お前はなんと詩心のないカス人間なのかといわれそうであります。

 しかし、賢治が生きた時代、リアリズムの眼で世相を見るのが普通のところ、ジャンルや境界にとらわれずに夢想世界に遊び、天空列車で旅をするなんて他の作家にはできない。発表当時にいかほどの評価を得たのか知らないけれど、こういう4次元作品はあと百年たっても評価は下がらないと思います。(百年後に4次元列車ができていたらどうしよう)

 銀河鉄道の乗客たちはみんなファンタジーな人ばかりですが、途中から乗車した青年と幼い姉弟は「乗っていた船が氷山に衝突して沈んだ」と話すことから、これはタイタニック号沈没事件からイメージしたと思われます。ちょっぴりリアル世界ネタもあるのですね。そして主役の「銀河鉄道」。これは岩手軽便鉄道の姿を借りたものらしい。イラストで描かれる姿も似ています。
 考えて見れば、宮沢賢治は今でいう「ヴァーチャルリアリティ」(仮想現実)世界を紙の本の上で作りだしていたともいえます。どなたか頭の良い人がVR技術で21世紀の銀河鉄道を創造するかもしれない。列車の客室はリアルに拵えて、出発するとVR世界を旅する。アクションとかでなく、詩情豊かなVRがあってもよいと思います。(1990年 集英社発行)


岩手軽便鉄道
銀河鉄道  

ginngatetudou






閑人帳 


●手づくり本の展示 ごあんない

 まちライブラリー@もりのみや で本棚の一隅を借りて手づくり本の展示をしています。2017年から4年かけてつくったもので、最初が「半畳雑木林をつくりませんか」「1945大阪大空襲」でした。最新作は「エッセイとともに読む歎異抄」ですが、これは展示していません。 ほかに50年前の旅のアルバム「青春の旅 ~さいはての旅~」はA5ファイルで編集したもので白黒写真ばかりという時代モノです。先日紹介した「コンビニコピー機による写真拡大効果」を生かしてヘタな写真もでっかくすれば恰好がつく、の見本になってます。もうひとつの白黒写真アルバム「蒸気機関車のある風景」にはJR環状線を走る機関車が写っており、平成生まれの人には信じられない光景に見えるようです。

展示は10月18日まで。場所は東急キューズモールもりのみやの2F。図書館といってもカフェもある気楽なところです。 

まちら



マイライブラリーの札があるところです
まちらフェスタ2020 




まちら 







ウオーキング・観光 



1985年:北区茶屋町の風景

 アルバムを整理していたら茶屋町を写した写真が出て来た。ここにあった「茶屋町画廊」を何度も訪ねたので懐かしい。木造住宅と石敷の狭い道。撮影した1985年には既に再開発が進んでいて住宅地から若者向きの商業地への変身中だった。当時から35年たった今、昔日の風景は全く残っておらず、石敷きの道がどこだったのか特定するのに迷った。

昔の茶屋町を語るのは「鶴乃茶屋」跡碑とその説明板しかないみたい。茶屋町という町名の由来と江戸時代~明治時代の風景は以下のように説明されている。

 茶屋町は大阪市北区にある阪急電車・梅田駅ホームの高架の東側に広がる町の名前である。茶屋町の名称は1900年(明治33年)から使われており、1924年(大正13年)までは北野の名が上についていた。近年再開発が進み、茶屋という名から来るイメージとは裏腹に若者の街と化した感があるが、明治の初め頃、梅田の東側は、春には菜種の花が一面に咲く美しい野原であったといわれ、大阪三郷の人々の憩いの場所となっていた。このあたりを茶屋町と呼ぶのは、同町を縦断する池田街道筋に、「鶴乃茶屋」・「車乃茶屋」・「萩乃茶屋」と呼ばれる3軒の料理茶屋が賑わっていたのに由来するという。

 また、明治中期までは料理茶屋だけでなくボート・温泉場、大弓場、料理屋が集まった大行楽地であったとのことで、1889年(明治22年)には「凌雲閣」という当時としては画期的な、天にそびえる9階建ての遊楽場が、現東梅田学習ルーム(旧東梅田小学校)付近に建てられており、現在でいうところの一大レジャーランドであった。

 上の文にはないけれど、与謝野蕪村が詠んだ有名な「菜の花や 月は東に 日は西に」の句はこの茶屋町の菜の花畑の風景を見てつくったという。知りませんでした。現在のビルがぎゅうぎゅう詰めにひしめく風景からは想像もつかないカントリーシーンが広がっていた。
 そういうすてきな由緒があるなら、現在、整備をすすめている大阪駅北側の緑地の一部を菜の花畑にして江戸時代の風景を偲ぶ、という案もええかな、と想像します。


1985
(現在の道を特定できなかった)
茶屋町

1985
茶屋町 

2020 
直上写真の35年後 現在の風景
上の写真より視点を5mほど右へ写して撮影。道は車の通行ができなくなっていた。
DSCN1734 (2) 







読書感想文



●太宰治「人間失格」を読む

 梅田の書店の店頭に平積みされていたこの文庫本、表紙が黒一色という意表をつくデザインで、昔、読んだことあるな、と思いつつ買ってしまった。装幀家さんの勝ちであります。この新潮文庫版、昭和27年が初版、そして令和2年、今年で207刷りというからすごいロングセラーです。

 著者、太宰治、即ち本書の主人公でもありますが、絵に描いたような「丸出駄目男」ぶりで、その情けない有り様が最後の10ページくらいに綴られる。強制的に精神病院へ連れてこられて「狂人」のレッテルを貼られた。「今にここから出られても、自分はやっぱり狂人、廃人という刻印を額に打たれる事でしょう。人間、失格。もはや、自分は、完全に、人間で無くなりました」
 物語では無く、リアルな自分をこのように描いてはもう死ぬしかない。で、太宰は自殺・・ではなく、愛人と心中する。おいおい、死ぬなら一人で死ねよ。相手の女が迷惑だろうが。と、世人はおもうのですが、そこがまた太宰のダメなところで「一人ではよう死なん」と意気地がない。

 太宰は人生で5回自殺を試み、しかし、失敗続きというドジぶりで、若い頃の心中では相手の女が死亡し、自分は助かるという、もろカッコワルイ経験もしている。人間失格の前にミジメな自殺者失格も経験しているのです。で、5回目はペアで玉川上水に入水、こんどはミスしなかった。 

 1948年、太宰治、心中・・は、当時、大ニュースになった、ということを自分は覚えています。9歳か10歳だったのに、母がこの事件を興奮して駄目男に話した。こちらはダザイオサムってなんやねん、でありますが、そのとき覚えた言葉がなぜか「玉川上水」だった。太宰より玉川上水。で、今でも玉川上水の名を聞くと「あ、太宰が心中したとこね」と0,2秒くらいで思い出す。ガキのころから人名より地名に興味があったのかもしれません。

 と、なんか悪口ばかり書いてますが、だからといって作品の魅力をを損なっているわけではなく、十分に読み応えがあります。太宰に限らず、この時代の作家の読みものには独特の味わいがある。どの辺が?と問われても答えにくいが、なんか時代の空気感みたいなものが伝わり、オジンが読めば郷愁になる。もし、戦後生まれの作家が太宰と同じような放蕩人生をおくったら「許さん!」気分が勝ってしまうと思います。ええかげんなもんです。(昭和27年 新潮社発行)



このデザインで・・つい買ってしまった
dazai 






閑人帳



●コンビニのコピー機の高性能ぶりを知る

 手づくり本の制作でコンビニのコピー機はしょっちゅう使いますが、文字面のコピーが主な作業で、写真の拡大などに使ったことがありませんでした。先日、常用のL判プリントを何気に拡大コピーしてみたら、予想よりずいぶん質の高いコピー画像ができて感心しました。

 今まで、写真は拡大するとボケる、と思い込んでいたので試さなかったのです。それが十分鑑賞に耐えるほどしっかりした画像で拡大できます。下の写真はL判プリントをA4サイズに拡大コピーしたもので、拡大率は238%になります。拡大するとボケるのは事実ですが、そこをデジタル技術によって補正してるのではと想像しています。(不詳)それに、これも想像ですがコピー紙の品質も関係ありそうに思います。

 写真屋さんにA4サイズのプリントを注文すると、たぶん500~600円かかるけど、コンビニで拡大コピーすれば50円。むろん、プリントに比べたら画質は落ちるけど、その差はがまんできる範囲です。風景写真や花など、大きくして鑑賞したい人は試して見て下さい。但し、今回は711店での結果で、ほかの店でもおなじ画質で拡大できるかどうかは不明です。言うまでもなく、画質に厳しいマニアックな写真趣味人にはおすすめしません。

(注)このブログ画像はうんと画質を低くして掲載していますので参考になりません。
konbini







閑人帳



●けふも元気に遺書づくり ~マイライブラリー~

 コロナ禍で外出が難しくなったのを幸いと、手づくり本の制作に励み、ただいま17冊目が終了まじか、というところです。このトシになれば、何を書いても、作っても、遺書、遺作品になってしまうのが楽しい・・? 4年前からはじめてだんだん作り方の要領がよくなり、スピードアップしましたが、基本は手づくりなので一冊つくるのに半月くらいかかります。夜中にシコシコ作業してると、内職感覚というか、夜なべ感も感じて、この気分は悪くない。TVで阪神の負け試合見てるより百倍有意義です。

 もう一つ、以前に書きましたが、昔のアルバムを再編集するのも楽しい。本づくりに比べたら、取り組みやすいテーマなのでお勧めします。写真アルバムって100年前から様式がほとんど変わらず、強いていえば、写真を台紙に貼るか、透明のポケットに入れるか、くらいの違い(進歩)しかありません。また、アルバム自体のサイズやつくりがバラバラなので、どこへ収納しても収まりが悪いというブサイクな代物です。

 これを思い切って解体し、新しいファイルにスマートに編集して収める。ポケットにいれるだけよりずっと智恵、工夫がいりますが、これを楽しむのです。そして、懐かしい写真には当時の思い出話を添える。文がヘタでも内容が多少インチキでもええじゃないですか。何十年も昔の出来事、シーンが脳裏に蘇る。これだけでも心が温かく、ときに、切なくなります。人生という長い旅路を  タイムスリップする一番簡単な方法です。
 しかし、ほとんどの人は、今さらそんな面倒なことを・・と、なりますが、かさ高くてブサイクなアルバムは遺族にゴミ処分されがちです。なので「コレが自分の(夫婦の)人生でした」とコンパクトにまとめたアルバムを1~2冊残す。たいていの人は位牌と遺影しか残さずにあの世へ行くけれど、これに自分で編集したアルバムを加える。これなら、よほど薄情な家族でない限り、ゴミにしないとおもいますよ。繰り返すけど、自分で編集する、手づくりする、がキモです。

マイライブラリー 






読書感想文

●「歎異抄」に触れて読者失格

 太宰治の「人間失格」を読んだあと「歎異抄」をひらく。この本はこの世で一冊きりの珍本であります。なぜなら、自分で拵えた本だから。いきさつは後日述べるとして、出来たてホヤホヤの新本であります。(下の写真)実は、本を拵える前には内容を読まなかった。チラ見しつつ、なんか無茶難しいこと書いてるなあと思いながら、本気で読まなかった。そして、さあ読むぞ、とあらてめて頁を繰ると・・なんと言いますか、取りつく島がない。ハヤイハナシが玄関払いであります。

 歎異抄の原文は原稿用紙なら400字詰めで約30枚分しかなく、普通の本なら1時間もかからない。それがこの本はもう・・視線が紙の上をすべってるだけで、内容の理解はとうてい無理です。お手上げ。しかし、駄目男はずるい、悪賢い。そういうことはあらかじめ予想できたので、理解を助ける助っ人を用意しておいた。原文に続いて、秦秀雄(故人)という古美術研究家で仏教の造詣が深い人のエッセイを掲載した。普通は解説用の注釈をつけた本になるところ、敢えてエッセイにした。これが大きなちがいであります。文章の長さでいえば、原文よりこのエッセイの方がずっと長い。(幸運にもそういう資料に出会った)

 こんなズルイ方法で読み始めた。これで原文の読解は大いにはかどったか。それがその・・やはり原文の理解はぜんぜんできないのであります。自分のアタマが悪い+原文が難しすぎる、で、進まない。あえなく読者失格。

 本の普及が進んだ明治以来、歎異抄読破にチャレンジした人は数百万人、あるいはそれ以上いるにちがいない。しかし、おそらく、99%以上の読者は歎異抄の何たるかをしらずに放り出してしまったと思われる。秦氏は、自身の体験からも、岩波文庫版にあるような、詳細な注釈、解説付きの本を読んでも理解や会得は不可能だろうと述べている。歎異抄を論理的に理解できるなんてあり得ない。筋違いも甚だしい。・・ので、ほなら、駄目男は、原文はチラ見するだけで、エッセイを読んで「分かったつもり」になるとしよう。
 

この世で一冊きりの駄目男版「歎異抄」
 tannnisyou 





閑人帳


●朝日新聞、世論調査の数字にショック

 9月2日、3日に朝日新聞が行った世論調査でえらい結果が出て朝日新聞はショックを受けたことでせう。「安倍総理の実績を評価しますか」という質問に、なんと71%が「評価する」という数字が出た。(評価する19%、ある程度評価する54%)
 朝日の予想(期待)数字は30%台程度、良くても50%までと思われるので、えらいショックです。過去7年にわたって毎日、毎日、安倍叩きに全力を尽くしてきたのに、なんだこの結果は・・・。しかも、他社の調査数字ではなく、自社の調査結果だから余計むかつく。今までの努力は何だったのかとガックリきたのではないでせうか。

 かくも高い評価を得たのは、辞任発表直後から、米国をはじめ世界中の首脳からねぎらいや賞賛の声が届いたことが大きく影響してると考えます。高評価の対象が外交や安保問題であることと通じます。まあ、ご祝儀相場みたいな、一時的高評価の感があります。
 もう一つ、考えられるのは、朝日新聞の部数が大巾に減って世論を動かすチカラがなくなったことです。さらに、同じ調査で、朝日が頼りにする野党が軒並み一ケタの支持率しか得ていないので、もう、お先真っ暗状態。それでも「反自民」の看板を下ろすわけにはいかず、自民叩き、菅叩きに邁進するしか生きる道はありません。

引用情報
https://www.asahi.com/articles/ASN937CXXN93UZPS001.html?iref=pc_extlink


閑人帳


●中国、二つの大ピンチ

 先月、数回にわたってお伝えした中国の洪水被害、被害の全容はまだ不明で、被災者数や死者数すら発表がない。被害面積はあまりに広大で、もし、正直に報道したら諸外国に事態の深刻さを知らせてしまうことになるから、つまり、国力の低下を知らせてしまうことになるので発表しないままになるかもしれない。
 8月に習近平が突然「レストランの食べ残しは許さない」と個人レベルの話題を持ち出したのは、これから起きる「食糧不足」の危機感のせいだろうと勘ぐられている。日本にも「食品ロス」問題があって大方の人に周知済み。しかし、キンペイ親分はもっと細かく指示した。中国では長年の生活習慣として、例えば、5人で会食したら、料理の注文は6人分でするのが普通。要は食べ残すくらい多い目に注文するのが常識というか、一つのマナーになっている。5人分注文して完食したら、それは幹事さんがケチだから、と思われる。合理性より見栄、メンツの問題なのだ。

 で、キンペイ親分は「5人で食事するときは4人分の注文で食事を済ませよ」と、まあ、国家のトップらしからぬセコイ発言でありました。要するに、危機を訴えているのであって正しい意見であります。被害の大きい長江流域は稲作地帯でもあるから、調査が進めばもっと深刻な状況になる恐れもある。米以外の作物も大被害だからアメリカへの注文も増える。米国の農家はニンマリしてるかもしれない。 仮に、1億人分の米が不足したら・・これって、日本人の消費量と同じです。なので、周辺国でははやくも警戒感をもって中国を見ている。輸出余力がないのに、中国に借金があるという理由で「よこさんかい」と言いだしかねない。 日本にも注文する? さすがにそれはないでせう。値段が高すぎて折り合えない。

 もう一つの大ピンチ。これはアメリカが制定した「香港自治法」がらみの問題です。問題とは、・・と、考えをまとめようとしたけど、すんごくややこしい。トランプ政権が本気で中国イジメをはじめた、その中味が、これから中国政府の幹部を追い詰めようとしている。そのとばっちりで、なんと、スイスの「永世中立」が危うくなりかけている。中国政府の幹部とスイス国民が「えらいこっちゃ」状態になっているのです。
 すでにこのニュースをご存じのかたは「スイス、大丈夫か」と関心を寄せておられると思いますが、その内容を簡単に説明する筆力がないので、ここではネット情報に振って、あとはめいめい勉強してんか、で終わります。

スイスの「永世中立」ピンチ?
https://ameblo.jp/c-ship111/entry-12619106840.html
 


閑人帳



●ただいま、1000人に一人のわりあい

 昨日(8月30日)時点で大阪府民のコロナ感染者数は8491人。府民人口は880万人なので、およそ1000人に一人の罹患率です。但し、大阪市民に限ると罹患率はかなり高くなります。死亡者は148人。府民では約0,02%、2万人に一人くらいの率です。

 100人中、99人は、このクソ暑い日々でも律儀にマスクをつけ、3密に気を使いながら暮らしているが、100人に一人は無頓着人間で酒場でどんちゃん騒ぎをし、カラオケで鈍感な振る舞いをしてクラスターを生む。人間だもの、こういう人をゼロにするのは極めて難しい。不可能でせう。ゼロにするには国民全部が衛生観念と行動において完全主義者にならないといけない。そんなの無理。百点を目指すなんて・・なんかヒトラーの顔を思い浮かべてしまいます。(ふる~~~)。

 日ごろの努力や工夫で99点を達成してる。これでええじゃないか、と思うのですが、その甘さがイカン?。岩手県はながいあいだ感染者ゼロが続きましたが、いつだったか、この記録が途切れた。自分が岩手県民だったら悔しがっただろうか。いいえ、ホッとしたと思います。ただし、この気持ち、忖度して近隣他人には話さない。
 

ウオーキング・観光



●コロナ不景気対策 「青春81きっぷ」提案

 旅行が趣味という人は多いけど、自分でプランをつくり、乗物や宿の手配もする人は半分くらいでしょうか。しかし、安くて便利、だけのパックツアーに満足しない人もたくさんおられるはずです。コロナ禍で交通、宿泊など観光ビジネスの売上げがガタ減りになったいま、なにか名案はないだろうか。・・で、思いついたのが表題の「青春81きっぷ」です。なんや、18をひっくり返しただけかい。その通りのさぶ~いダジャレでありますが、新きっぷはシニアに金を使わせるためのサービスを提案します。いま思いついたばかりのアイデアは・・。

70歳以上の人を対象に身分証明書提示で購入できるきっぷを新発売する。

1・「81きっぷ」の値段は「18きっぷ」の1割高とする。
2・「81きっぷ」は普通列車のほかに在来線の特急、急行列車も使える。
   特急券の値段は3割引き(券は車内発行)
3・新幹線は一日一回、乗車距離300km以内で利用可。
  但し、自由席のみ。特急券の割引きは3割(改札精算)
4・使用期間を大巾に増やし、年末年始とお盆の繁忙期以外は利用可能とする。
5・きっぷの有効期限は購入後1年とする。未使用きっぷの払い戻しはしない。
  (一冊5枚綴り=5日ぶん)
6・81きっぷの提示により、駅構内のコンビニ、カフェ、土産物店の会計は5%引き。
7・利用時はマイナンバーカードを携帯すること。(本人確認、事故時の対応のため)
8・新きっぷの名称は公募する。

ま、1時間ほど考えた結果のアイデアです。70歳定年が普通になることを見越した提案。父さんはおおっぴらに家出できてハネを伸ばし、母さんは自由時間たっぷりできてハネを伸ばし・・観光関連業者は潤い、家庭円満をもたらし、マイナンバーカードの普及促進にも寄与する「81きっぷ」です。

読書感想文



●ジョージ・ビーム編
 「スティーブ・ジョブズ 夢と命のメッセージ」を読む

 国籍や貧富を問わず、世界中の人の生活スタイルを替えた偉大な人物として、22世紀まで功績を語り継がれること間違いなしのS・ジョブズ。56歳の若さで亡くなったことでさらに賞賛のテンションが上がったみたいです。彼はどんな素敵な言葉を残したのだろうと期待して読んだけど、ハズレでした。十代、二十代の若者にはメッセージたり得るけど、彼より年長の大人に対しては説得力に欠ける。「優れたビジネスマンの発言」の域を出ない。

 言葉のインパクト、面白さでいえば、先般ここで紹介した永守重信(日本電産会長)の発言「1位以外はみんなビリじゃ」のほうがずっと頭に残ります。このレベルの言葉がない。また、ジョブズ自ら起ち上げた企業(アップル)のトップの座を追放されるという大失敗を経験しながら、後悔すれども反省せず、の態度が気になります。アップルにリターンしたら、また、いけいけどんどん一筋で、まあ、それが成功したからよかったけど、ヘタしたら二度目の追放もあったかもしれない。しかし、その一途なキャラクターが成功のモトにもなったのだから、功罪 半々でありますが。

 ジョブズはMSのビル・ゲイツを明らかに見下してるが、人間的には(性格や教養面では)ゲイツのほうがベターかもしれない。本書を読んで共感や尊敬の気持ちが湧かないのは、発言の半分が「商品自慢」であることだと思った。開発思想においては謙虚さも語られているのだけど、結局は成功者の自慢話のほうが多い。編集者のセンスの悪さが本書の価値を下げたという感じです。あの世のジョブズも「しょーもない本出すなよ」と文句言ってるでせう。(2011年 三笠書房発行)

jabuzu